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2026年1月、タイ越境ECに課税開始:Shopee・Lazada・TikTokに迫る新税制

タイでは2026年1月から、オンラインで購入する外国製品に対する課税方針が正式に発表されました。

いまやShopeeやLazadaを通じて日本や中国の商品を気軽に買える時代ですが、その“気軽さ”にブレーキがかかりそうです。今回の課税方針は、越境ECを手がける事業者や在タイ日本人にとって無視できない転換点となりそうです。

この政策変更は、越境EC事業者やタイ在住の日本人消費者にとって大きな影響を及ぼすため、最新のニュースをもとに詳しく解説します。

タイの越境EC課税政策の概要

タイ関税局は2025年11月5日、2026年1月1日からオンラインプラットフォームで販売される外国製品に平均10~20%の関税を課す方針を発表しました。これにより、これまで1,500バーツ(約44米ドル)以下の少額貨物はVATや物品税の対象外でしたが、2026年1月以降はすべての外国製品にVAT(7%)と物品税が課税されるようになります。関税局は、この措置により年間約350~400億バーツ(約1,680~1,920億円)の税収増を見込んでいます。

越境EC市場の現状と成長

タイの越境EC市場は近年急成長しており、2024年には市場規模が1.1兆バーツ(約5.3兆円)に達し、2027年には1.6兆バーツ(約7.7兆円)に拡大すると予測されています。主要なプラットフォームはShopee、Lazada、TikTok Shopで、これらがタイEC市場の8割以上を占めています。特にTikTok Shopはライブコマースやインフルエンサー活用で急成長しており、2024年には120億バーツ(約576億円)の売上を記録しています。

ロジスティクス市場の動向

タイのEC物流市場も拡大しており、2025年時点で20億米ドル(約3,000億円)の規模に達しています。主要な物流企業はKerry Express、J&T Express、Flash Express、Lazada Logisticsなどが、スピード配送や自動化、デジタル追跡システムの導入を進めています。政府の「タイ4.0」政策や物流マスタープランにより、倉庫の自動化やEV導入、デジタル化が加速しており、ASEANの物流ハブとしての地位を強化しています。

消費者への影響と業界の対応

課税政策により、海外製品の価格が上昇する可能性がありますが、タイ関税局は「外国製品の輸入は国内雇用や原材料の使用に貢献していない」として、国民への理解を求めています。また、Shopee、Lazada、TikTokなどの主要プラットフォームと協議を行い、データ連携による税収管理の効率化を進めています。​

一方で、こうした規制強化を逆手に取る動きも出始めています。たとえば現地倉庫を活用した「タイ国内配送スキーム」の構築や、ASEAN域内での再販ネットワークを整える企業も増加中です。ローカル配送やカスタマーサポートを充実させることで、タイ市場に根ざした越境ECとして差別化を図る動きが活発化しています。

まとめ:今後の見通しと事業者へのヒント

2026年1月からタイでは、オンラインで購入する外国製品にVATや物品税が課税されるようになります。越境EC市場は成長を続け、物流インフラも進化していますが、消費者にとっては価格上昇のリスクが高まります。EC事業者は、タイの政策変更に対応した価格戦略や物流体制の見直しが求められます。

タイの課税強化は一見マイナスに映りますが、同時に市場の成熟を意味します。税制が整うことで信頼性が高まり、ブランド力を持つ海外事業者にはむしろ追い風となる可能性もあります。透明性のある販売、現地ニーズに合わせた商品展開が今後のカギになりそうです。

アメリカの“トランプ関税”に大きな影響を受けている中、今度はタイも…と、越境ECビジネスを取り巻く環境は本当に厳しくなっています。「タイよ、お前もか…」と、がっかりする気持ちは、ビジネスに携わる私たちならではの率直な本音ではないでしょうか。

参考文献:
タイ関税局、2026年1月から電子商取引上の外国製品に課税する方針(JETROビジネス短信)
Ken Research Stated Thailand’s E-Commerce Logistics Market to Reach USD 2 Billion(openPR)
Thailand’s e-commerce surges as Shopee, Lazada, and TikTok lead billion-baht growth despite an economic slowdown(THE Nation)

Writer 山田彰彦

山田 彰彦 代表取締役 越境ECコンサルタント eBay JAPAN創業メンバー、ヤフー株式会社コマース事業などを経てGMOグローバルEC(旧ジェイグラブ)株式会社を創業。越境EC歴24年。イーベイ・ジャパン公認コンサルタント、ジェトロ新輸出大国コンソーシアムEC専門家、中小企業庁「新しい担い手」越境EC委員も務める。

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