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越境ECブログ

米国デ・ミニミス廃止に向けて準備すること【追記あり】

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こんにちは。ジェイグラブの横川です。

5月から猫の目のようにコロコロ変わる米国向けの貿易ルールですが、以下にここまでの流れを整理します。

1.春先の関税発表時は800ドル未満の申告額には関税を課税しないデ・ミニミス・ルールが生きているため、商品が中国・香港製でない限りはBtoC越境ECでは影響は小さい。

↓

2.7月5日に成立した「唯一無二の偉大で美しい法」では2027年7月にデ・ミニミスを廃止することを表明。それでもまだ2年先なので、現状は影響を受けない。

↓

3.上記法律が成立して1ヶ月も経つか経たないうちに、デ・ミニミス廃止の大統領令が発令され、米国東部時間8月29日以降に到着する貨物に対してはデ・ミニミスが適用されない←イマココ

となりました。
参考:【悲報】8月29日にデ・ミニミス廃止が決定されてました・・・

デ・ミニミスが廃止となると、これまでは800ドルの少額申告額の貨物は無税で通関したわけですが、今後はそうは行きません。また、関税は、貨物が相手国の税関に到着してから確定するものなので、たとえ8月25日に発送しても米国の税関到着が8月29日以降であれば無税にならない可能性があります。

ちなみに、原則として、デ・ミニミス廃止後の関税は以下のようになります。

  • FedEx、DHL、UPSなどのクーリエ発送の場合
    7月下旬に日米間で合意した相互関税15%が発生します。トランプ関税以前に15%未満だったものは15%に、それ以上だったものは変更なし。
  • 国際郵便で発送する場合
    ・従価税:郵便物の原産国・価値によって発生
    ・従量税:郵便物の原産国に応じて重量で決められる関税率で、それが16%未満の場合、1点当たり80ドル、16~25%の場合は160ドル、25%を超える場合は200ドル

米国向けへの関税はHSコードではなく、HTSコードで把握できます。したがって、米国向け貨物にはHTSコードを送付状ないしはインボイスに付記するのが良いでしょう。HTSコードはChatGPTに聞けば適切に回答してくれます(この点、Geminiはダメでした)。

国際郵便は現時点では従価税と従量税の二種類が存在しますが、将来的には従価税一本に絞るようです。また、現在は関税以外の通関手数料(輸送業者→CBP(税関・国境警備局)→受取人)は徴収しない方針のようですが、準備が整い次第請求を開始するようです。

なお、デ・ミニミス廃止と言っても純粋に贈答品である場合、100ドルまでは無税、直接米国に持ち込む場合は200ドルまで無税となっています。

以上が、ここまでにわかっていることです。それにしてもデ・ミニミスを利用した安価な商品の流入を防ぐ目的で廃止したのに、皮肉にも国際郵便では無税で通関する安価なものしか入ってこないという状況を招いているアメリカには苦笑せざるを得ません。

実際、純粋な贈答品と商用品の区別を発送者の自己申告以外にどうつけるのかは不明ですし、申告額は必ずしも売った額である必要はないため、アンダーヴァリューも増えると思いますが、それが不正にそうされた物かどうかまで正確にいちいち審査しきれるのかも不明です。

さて、ここからは日本人セラーが打つべき対策をいくつか思いつくものを書きます。


デ・ミニミス廃止後の販売でやっておいおたほうが良いこと

1.注意喚起文を記載する

米国人の買い手向けに関税がかかる可能性があり、且つそれは買い手側の責任になるということを商品ページに記載する。米国人だけなので、To US buyersの書き出しで書くと良いでしょう。

2.越境ECモールで利用できる機能を最大限に使う

eBayの場合、購入だけでなく、質問、値引き交渉など、何らかの形で売り手にコンタクトした場合、自動でメッセージを返信する機能があります。この機能を利用して「米国人バイヤー向け」のコメントを設定するとよいでしょう。

◆設定する場合

eBayのTime Away機能のAutomatic responseを使います。Account Setting、Seller Hub、My eBayなど、複数箇所からTime Awayにアクセスできます。
※一番わかりやすいのは、ログイン > (画面右上)Hi 〇〇にカーソルを当てる > Account settings > (遷移した画面の)Selling のところにあるTime awayをクリックします。

3.対策済みの国際発送ツールを検討してみる(強く推奨)

eBayなどと連携して国際発送が可能なシステムの中には、関税をすでに対策してあるツールもあります。

たとえば、eBayアカウントとFedExアカウントを紐づけすると、クーリエ発送が簡単にでき、かつ送料も国際郵便よりも若干安く送れる素晴らしいサービスがいくつかあります。そのなかの代表例として長年eBayの公式ツールであったeLogiなどは、今般の関税に対しては、FedExの場合はDDP(関税を発送者が負担)に自動設定して発送するそうです。もちろんそれをデフォルトにすると言っているだけで、嫌なら通常の買い手が払うDDUでもOKです。なお、DHLとUPSはDDUだそうです。

つまり、DDP(関税荷送人負担)の場合は、後から発送者に関税の請求が来るので、あらかじめ商品価格を関税分だけ上乗せしておくとよいでしょう。
DDU(関税荷受人負担)の場合は、買い手が支払うので、受取拒否などのトラブルに見舞われる可能性がありますから、事前に上記1や2のような手段を用いて注意喚起しておくべきでしょう。


おわりに

対策するなら今週中がタイムリミットです。スキマ時間でできるものもあれば、そうは行かないものもあります。できれば今週はこの対策を優先したほうが良いでしょう。

上述のように、原則通り買い手に支払わせても、あらかじめ15%値上げしておいて、こちらで負担しても、米国消費者が以前より高い価格で買わねばならなくなったということは一緒です。また、関税負担を発送者負担にしてあっても事前に販売価格を値上げしてあれば、実質購入者が原則通り関税負担しているのと同じです。

なお、値上げの場合、販売先ごとに価格を変えられないECツールの場合は、アメリカ人以外も値上げのとばっちりを受ける形になってしまうところが痛いところです。

全くの余談ですが、台湾の中華郵政も米国向け貨物の発送を全面停止したようです。
参考:台湾の中華郵政、米国向け小包配送を停止-「デミニミス」廃止で

先日も書きましたが、関税の納税義務は輸入者にあるということは法的根拠があります。
アメリカ連邦規則集19条のBには「関税(通常関税および追加関税の両方)の支払い義務は、輸入者から米国政府への個人的な債務である」とあり、(言い方は法律らしく難しく言っていますが)明確に輸入者負担と規定しています。

関税についてトランプ大統領は、何らかの意図があってのことなのか、単に無知なのか(上記の通り、法律は難しい言い回しなので大統領には理解できないのかもw)わかりませんが、再三「各国が支払う関税・・・」と言っていました(税収が見込めるとも言っていましたけど、アメリカ国民のお金によって、なんですけどね)。
先日MSNBCに出演したベッセント財務長官は、司会のユージーン・ロビンソン氏につっこまれ、苦し紛れの話をしたりしつつも、大統領ほど厚顔無恥(と言うより厚顔”無知”?w)ではいられない人なのでしょう。遂には原則論を認めるというトークが繰り広げられています(字幕自動翻訳使えます。正確な訳になっています)。

全編は以下(14分8秒頃から15分45秒あたりまで。こちらは若干不自然な翻訳になってます)

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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