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越境ECブログ

タダでは転ばない中国ECモール。トランプ関税を無効化

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

トランプ関税が発動し、思い切り打撃を受けるはずなのが中国です。先日の弊社のブログ「Temu・SHEINが米国で値上げ発表!トランプ関税とデミニミス撤廃で越境ECはどう変わる?」のとおり、値上げせざるを得ない状況になっています。これは日本のメジャーなメディアでも取り上げられていました。

しかし、このブログ記事、「トランプ関税に脅かされる中国のEC業界」で

中国企業ですから、最終的にはなんとかしてしまいそうな気がしますけどね。知らんけど。

と書いたように、日本人より、商売の嗅覚に優れ、「何かあったらどうするんだ?」といつまでもダラダラネチネチと足踏みすることもなく、「何かは起きるだろうが、起きたときに考えればいい」というスピード感でガンガン前進していくので、日本企業は停滞する中国の間隙を縫うチャンスなのに、勝てないという感じに変化はなさそうです。

そのタダでは転ばない姿勢をCNNが伝えています。そして最後に個人的な考察をいたします。


Temuはアメリカからのみ発送すると言っていて、商品がアメリカで作られているわけではない(抜粋)

米国のデ・ミニミスが失効した数時間後、中国の電子商取引サイトTemuは 配送モデルを全面的に見直し、 米国での販売をすべて米国を拠点とする販売業者を通じて発送すると発表した。

「米国での販売はすべて現在、現地の販売業者によって行われており、注文は米国内で処理されています」と、Temuの広報担当者は述べた。

この変更は、プラットフォームにとって大きな転換となる。Temu、そしてSheinやAliExpressといった他の中国系eコマースサイトは、これまでいわゆる「デ・ミニミス」を利用して、超低価格商品を米国に大量に投入してきた。トランプ米大統領は、新たな関税によって製造業を米国に呼び戻したいと述べているが、Temuの今回の動きは、大手企業がその要求を回避し、他の戦術を試す可能性があることを示している。

Temuの新しいビジネスモデルは、トランプの言いなりになっているように聞こえるかもしれない。しかし、製品が「地元の倉庫」から顧客に発送されているからといって、必ずしも米国製であるわけではない。

TemuやSheinといったサイトは、配送時間を短縮するために長年にわたり米国倉庫のポートフォリオを構築してきた。昨年、バイデン政権もこのデミニミス免除を批判し始め、中国の荷送業者は明確な雰囲気の変化を感じ取った。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のグローバルサプライチェーンマネジメント教授、クリス・タン氏は以前CNNに対し、Sheinは昨年早くも商品の備蓄と米国の倉庫への大量出荷を開始していたと語っている。

ブルームバーグは2月、Temuが中国のサプライチェーンを見直し、サプライヤーの工場に米国の倉庫への大量出荷を依頼したと報じた。これらの商品が在庫切れになった場合、米国の消費者向けに売り切れ状態が続くのか、それとも新製品がトランプ大統領が中国に課した関税の対象となるのかは不明だ。

現時点では、外国製の製品が米国の販売代理店を通じてアメリカ人の玄関口に届けられているということになる。Temuは製造パートナーのリストを公表していない。

参照:Temu says it’s only shipping from the US. That doesn’t mean the products are made here


おわりに

記事でバイデン政権時代から動きを察知していたとありますが、弊社ブログでも、バイデン政権時からデ・ミニミス廃止について議論されていたことを1年前に既にブログにしています(米国の関税の非課税基準値撤廃措置をバイデン大統領に超党派で上院議員が訴え)。

では、これまでの中国からアメリカの個人へ直送するモデルから、アメリカの倉庫へ一旦在庫し、そこから個人客へ配送するアマゾンのFBAモデルへビジネスモデルを変更した際にどのくらい違ってくるか、シミュレーションしてみました。

例えば、15ドル(多くの場合送料込み)の商品を従来モデルで中国からアメリカに送るとしたら、145%の関税がかかるので、

$15.00 x 1.45 = $21.75(関税として21.75米ドル発生)、つまり、今まで15ドルで済んでいたものが、
$15 + $21.75 = $36.75払うことになってしまいます。

なお、調査の結果、中国での製造業、卸業、小売業の各業種の粗利の割合では製造業は約30%とのことでした(この辺は日本もだいたい同じ)。そこで、製造業者が最低限の利益の取れる額で1万個をアメリカに送って在庫するとします。15ドルの商品の30%は4.5ドルなので、

{($4.5 x 10,000)x 1.45}= $65,250(45,000ドルの荷物に65,250ドルの関税が発生)つまり、
$45,000 + 65,250 = $110,250がかかります。これを1万個で割ると、1個あたりは$11.02です。

1個11ドルですから、これに倉庫コスト、アメリカ国内送料を乗せても15ドルかそれよりちょっと高いくらいで済み、世間で言われているほど、トランプ関税の打撃力は大きくないことがわかります。このシミュレーションでは1万個で計算しましたが、1万個でこれですから、在庫数を増やせば、以前と変わらない価格で提供できる計算です。

そして、アメリカの住宅はアジア系住民には持て余すくらい広く、部屋も多いので、倉庫さえも、合法的にアメリカに移住した中国系アメリカ人の住宅の使っていない部屋などを利用すれば、倉庫コストもほとんどかからずに実現させてしまうことが可能です(Temuが諸々のパートナーを非公表としているあたりはこういうところかもしれません(^_^;))。

こうした知恵を回してスピード感をもって進んでいくあたり、中国人商人の1/10でも真似できていれば、もっと日本からも成功者がでていたことでしょう。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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