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越境ECブログ

トランプ関税対策について(eBayなど/追記あり)

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

アメリカ東部時間の8月29日から800ドル以下の少額貨物に対する関税免除制度が廃止され、現時点ではアメリカに送られる貨物は一部の例外を除くと、基本的に関税がかかるようになりました。

  • FedEx、DHL、UPSなどのクーリエ発送の場合
    7月下旬に日米間で合意した相互関税15%が発生します。トランプ関税以前に15%未満だったものは15%に、それ以上だったものは変更なし。
  • 国際郵便で発送する場合
    ・従価税:郵便物の原産国・価値によって発生
    ・従量税:郵便物の原産国に応じて重量で決められる関税率で、それが16%未満の場合、1点当たり80ドル、16~25%の場合は160ドル、25%を超える場合は200ドル

詳細はこちらです。
参考:米国デ・ミニミス廃止に向けて準備すること【追記あり】

私は以前から、「展開したい国を絞り込むことはナンセンスで、売れるところにはどこでも売れ」と言っています。これは、どこかに狙い撃ちしてると、今回のような世界情勢や環境の変化によって、一挙に苦しくなるためです。ネットで展開するのなら全方位展開すべきであり、低価格でそれができるツールなのに、大金はたいてリサーチしてターゲットを絞るなど、ネットの醍醐味を享受しているとは言えません。リサーチしてターゲットを絞るやり方は、現地法人を建てる時などの話だと思っています。

さて、今回のトランプ関税に関して、対策を打つ方法はいくつかあります。なお、ここではわかりやすく関税を15%で説明しますが、実際はそれ以外に手数料などもかかりますので、しっかり確認してから最終価格を決めましょう。

1.何もしない。ー非推奨ー

関税は買い手が払うものなので、本来は何もしなくても構いません。アメリカ人だけが今までより15%高い価格で買うだけです。しかし、それを知らない人はかなりいると思われますし、なにより大統領自身が関税は外国が払うなどと無茶苦茶なことを言っていますから、MAGA界隈の人はなおさらわかってない可能性があります。

そうなると、想定以上の支払いの発生にキャンセル、受取拒否、クレームなどが発生するリスクがあります。これを避けるには、事前にしっかり説明し尽くしておく必要があるでしょう。

1-1.注意喚起文を記載する

米国人の買い手向けに関税がかかる可能性があり、且つそれは買い手側の責任になるということを商品ページに記載する。米国人だけなので、To US buyersの書き出しで書くと良いでしょう。

1-2.eBayで利用できる機能を最大限に使う

eBayの場合、購入だけでなく、質問、値引き交渉など、何らかの形で売り手にコンタクトした場合、自動でメッセージを返信する機能があります。この機能を利用して「米国人バイヤー向け」のコメントを設定するとよいでしょう。

◆設定する場合

eBayのTime Away機能のAutomatic responseを使います。Account Setting、Seller Hub、My eBayなど、複数箇所からTime Awayにアクセスできます。
※一番わかりやすいのは、ログイン > (画面右上)Hi 〇〇にカーソルを当てる > Account settings > (遷移した画面の)Selling のところにあるTime awayをクリックします。

2.eBayやサードパーティーの対策案を検討するー推奨ー

2-1.対策済みの国際発送ツールを検討してみる

eBayと連携して国際発送が可能なシステムの中には、すでに関税対策してあるツールもあります。

たとえば、eBayではSpeed PAKという公式ツールがあります。
またもう一つ、eBayアカウントとFedExアカウントを紐づけすると、クーリエ発送が簡単にでき、かつ送料も国際郵便よりも若干安く送れる、長年eBayの公式ツールであったeLogiがあります。

これらのツールは、デフォルトでDDP(関税を発送者が負担)に自動設定して発送すると説明されています(通常の買い手が払うDDUも可能)。

つまり、DDPの場合は、後から売り手に運送業者から関税の請求が来るので、あらかじめ商品価格を関税分だけ値上げしておくとよいでしょう(関税は売り手が払うが、その分の費用を販売価格に乗せて、買い手に負担させておく)。

2-2.eBaymugを利用して多国展開する

eBayにはもうひとつ、eBaymugという多国展開が簡単にできるツールがあります。
これは、米国のeBay.comに商品が出品されていれば、その内容をeBaymugがコピー保存し、eBaymugから簡単なボタン操作でイギリス、ドイツ、オーストラリア、カナダ、イタリア、フランス、スペインの最大8つのeBayサイトに出品できるものです。言語はAIによる自動翻訳がされます。

このeBaymugは、管理画面で米国に出品している価格と比べて上げるか・下げるかの設定ができるようになっています。つまり、上記2-1の方法でeBay.comでの販売価格を15%値上げしても、eBaymugでアメリカ以外の国々をマイナス15%設定すれば、アメリカ以外のeBayサイトはトランプ関税の影響を受けない価格設定になります。

3.バリエーション設定を利用する(利用できるカテゴリー出品者のみ)

eBayは実質アメリカであるeBay.comと、それ以外の各国eBayがあります。アメリカ発祥のサービスなので、eBay.comが最も大きく、最も人が集まります。図示するとこんなイメージです。

アメリカ人はほぼeBay.comにしか来ません。
しかし、英国、ドイツ、フランスなどの場合、それぞれの国にはきちんとeBayがあるのに、地元のeBayを利用せず、eBay.comにくる人たちもいます。
eBay.comにしか出品されてない商品をイギリス人やドイツ人とかが購入したりするのはそのためです。彼らはeBayUKやeBayDEで買い物するときもあれば、eBay.comに来ることもあるのです。

先程のeBaymugを利用するというのは最適解のように思えますが、それは、イギリス、ドイツ、オーストラリア、カナダ、イタリア、フランス、スペイン各国のユーザーが地元のeBayのみでしか買い物をしないという前提が成立する場合の時のみです。

上述のように、地元のeBayで買うときもあれば、eBay.comに来ることもあるのですから、上記2-1で15%値上げすると、こうしたアメリカ人以外のユーザーでeBay.comで買い物すると、払う必要のないお金を払う格好になります。

イギリス、ドイツ、オーストラリア、カナダ、イタリア、フランス、スペイン各国のユーザーは、トランプ関税の影響を受けない地元eBayを使えばよいという選択肢がありますからまだマシです。しかし、イスラエルとか、ギリシャとか、ポーランドとか、eBaymugによって価格調整された地元eBayがなく、eBay.comしか購入先がないというユーザーはどうでしょう。無駄な出費をすることになりますね。

そこで、私が考えたのが、「バリエーション設定を利用する」です。この機能は設定が不可能なカテゴリーもあるので、そうした方は、上記1、2で対処するしかありません。

バリエーションが設定できる場合は、図のような設定をします(クリックで拡大)。

アメリカ居住者と、非アメリカ居住者というバリエーションを作成します。そして、前者にはトランプ関税分を乗っける価格(販売価格 × 0.15)を、後者はそれを反映させない価格を設定します。そうすると、カートに入れる前に居住地を選択させ、それに応じた価格を支払わせることが出来ます。

ただし、アメリカに居住しているのに、「アメリカ非居住者」を選択してくる人がいたとします(購入後の配送先でアメリカかそれ以外かすぐに分かりますけどね)。その場合は、関税を払いたくなければキャンセルするか、DDU(関税は買い手が払う)で送るから関税をしっかり払えよというメッセージを送って商品を送ればいいです。それでもゴネてくる人は容赦なくネガティブ・フィードバックをつけてしまえばいいです。


おわりに

原則(関税負担は輸入者負担)はともかく、事前に販売価格を関税分値上げしても、実質購入者が関税負担していることになるので売り手の利益を犠牲にすることは避けられます。

2と3は同時に行うとゴチャゴチャになりますので、しっかり計画立ててから行いましょう。

そして肝心なのは、また状況が変わったらすぐに元に戻せそうだなと思える方を選択しておくことです。まぁ、とにかく周囲の言うことに聞く耳を持たなさそうなトランプ氏ですが、アメリカの司法はトランプ関税の大半を違法と断じてますから(現在トランプ氏は最高裁に上告中)、市民や市場の反応などによってはTACOって、いつまたどうなるかわかりませんからね。

Amazonの場合は、元々各国ごとに管理するようになっていますから、アメリカとそれ以外で調整すればOKです。また、自社サイトの場合もここで書いたことと似たような設定はできると思いますので、検討してみても良いかもしれません。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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