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越境ECブログ

な~んか嫌な予感がするTEMUの中国発送再開

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

この記事が公開される8月29日(厳密には日本時間では8月30日)は、全世界の国々がアメリカに貨物を送る際に、少額申告額の免税措置(デ・ミニミス)を受けられなくなるわけですが(参考:米国デ・ミニミス廃止に向けて準備すること【追記あり】)、常に世界をリードしたい中国は、世界に先駆けて5月から米国デ・ミニミス非適用の最初の国になるという栄誉にあずかっていましたが、最大145%の関税率から現在は30%で落ち着いていることもあって勝算ありと見たのでしょう。かつての勢いを取り戻そうとしています。しかし嫌な予感もします・・・


TEMU、関税休戦後、中国から米国への輸送を再開

TEMUは関税闘争休戦後、米国消費者への中国からの製品出荷を再開したと報じられている。

フィナンシャル・タイムズ紙が8月26日に報じたところによると、サプライヤー、パートナー、投資家らは、このECプラットフォームが「完全に管理された」出荷を再開したと述べた。

これらの輸送は、TEMUがサプライヤーに代わって物流と通関手続きの大部分を担うサービスであり、同社は5月にサービスを一時停止していたが、再開した。

TEMUは、トランプ大統領が関税を発表する前の第1四半期の水準に広告費が戻ると予想していたと、同紙は報じている。これらの変化は、米中間の休戦が低付加価値品輸出業者に猶予を与えていることを浮き彫りにしている。

トランプ大統領は4月、中国からの800ドル未満の貨物に対する「デ・ミニミス」免除を撤廃する計画を発表した。これにより100%関税が課されるようになった。これは、数十億ドル相当の低価格商品を米国に無税で持ち込むことで成功を収めてきたTEMUにとって、悪いニュースだった。

しかしその後、米中間で交渉が進められ、米国は小包への関税を54%に引き下げ、中国製品への追加関税を90日間30%に引き下げることで合意。両国はこの停戦をさらに90日間延長している。

このニュースは、TEMUの親会社であるPDDホールディングスが、第2四半期の収益は増加したものの営業利益は減少したと報告した翌日に発表された。経営陣は、同社は「長期的な影響」に投資していると述べている。

PDDホールディングスの売上高は同四半期に前年同期比7%増の約1040億元(約145億ドル)に達したが、営業利益は前年同期比21%減少した。

PYMNTSインテリジェンスのレポート「中小企業成長モニター2025年第2四半期:メインストリートの逆風から希望へ」によると、輸入に関連するコストの上昇によって直接影響を受けていると回答した零細中小企業(SMB)は38%で、大企業では30%だった。「これらの企業は、価格上昇を吸収できるだけの交渉力や規模が不足していることが多い」と、PYMNTSは8月25日(月)に報じた。「一部の企業では、その波及効果としてキャッシュフローの悪化や支払いの遅延が見られ、中小零細企業の18%がこれを報告している。」

参考:Temu Restarts China-to-US Shipments After Tariff Truce


おわりに

日本も踏み台にされていた形跡があったという報道が記憶に新しいですが、メキシコやカナダ経由でアメリカに流入する違法薬物の前駆物質が中国から発送されているとしてペナルティ的な意味合いで高関税が発動され、同時にTEMUやSheinという激安ECサイトの商品がデ・ミニミスを利用して無関税で大量にアメリカに入り、アメリカの産業を脅かしているので、TEMUやSheinを静かにさせるという明確な意図を持ってデ・ミニミス廃止にも踏み切ったという経緯がありました。

当時は最大145%もの関税がかかる状態だったので、脱アメリカ戦略に舵を切ったり、現地在庫型に切り替えて対処したり、世界展開するのに絶対必要なマインドである、日本企業が絶対見習うべきスピード感で試行錯誤していました。
参考:動きが早い!Temu、DHLと提携し、脱アメリカ戦略へ
参考:タダでは転ばない中国ECモール。トランプ関税を無効化

こうして中国が試行錯誤しているとき、日本にとって間隙を縫う大チャンスだったわけですが、そうして成功したという企業の話をほとんど聞いたことがありません。世界でも極めて決断の遅いことで定評のある日本企業にはできないだろうと思ってましたから、ある意味通常運転なわけですが。
なお、現在は中国製品は日本の倍の30%の関税がかかるわけですが、中国製品が3割増になったところで、それでも日本製品より圧倒的に安い物が多いでしょうから、引き続き真っ向勝負は難しいでしょう。

それより心配なのは、上述のように、そもそもTEMUが暴れまくったことが原因で、他の国ももらい事故にあったような感じのデ・ミニミス廃止なので、ここでかつての勢いでやると言われると(ビジネス判断としては妥当ではないとは思わないですが)、アメリカがもっと意固地になって厳しい対応策を打ってきてしまうのではないかという心配があります。そのときは中国だけを狙い撃ちしてほしい・・・。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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