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【2025年施行】ケベック州の二言語ラベル規制とAmazonカナダ食品出品者の対応ポイント

2025年5月7日、カナダのケベック州で施行される法改正「Bill 96(ビル96)」(ケベック州法第14号 法案96)により、食品・飲料商品に対して“英語とフランス語の両方”でラベルを表示することが義務化されます。

この規制はAmazonカナダだけでなく、楽天、eBay、Walmart、独自ECサイトなど、ケベック州に商品を販売するすべての出品者が対象となる重大な変更です。今回は、特にAmazon.caでの対応方法を例に取りつつ、実務上の注意点や法令対応のポイントをわかりやすく整理します。

✅「何を、いつまでに、どう準備すべきか」
✅「表示義務の内容と、よくある落とし穴」

カナダ市場での販売を継続・拡大するために、ぜひ最後までチェックしてみてください!

カナダの消費者パッケージ・ラベリング規制とは?

カナダでは「Consumer Packaging and Labelling Act(消費者パッケージおよびラベリング法)」に基づき、消費者向け商品のパッケージやラベルに関する厳格な規定が設けられています。主なポイントは以下の通りです。

・すべての消費者向けパッケージ商品が対象(一部例外あり)
・虚偽・誤解を招く表示の禁止
・商品名、正味量、販売者名・所在地などの必須情報の明記
・英語・フランス語のバイリンガル表示が必須
・ラベルの文字サイズや配置なども規定
・違反時は罰金やリコールなどのペナルティ

このバイリンガル表示義務は、カナダが英語とフランス語の二言語国家であることに由来し、すべての消費者が平等に商品情報へアクセスできるようにするためのものです。特にケベック州ではフランス語の優先度が高く、規制もより厳格です。

英語とフランス語が表示されているカナダの商品(出典:LAT Multilingual)

Amazon.caの新ルール:バイリンガル表示義務の詳細

Amazonカナダ(Amazon.ca)によると、2025年5月7日以降、食品・飲料カテゴリーの商品は「パッケージ画像に英語・フランス語の両方のラベルが明確に読み取れること」が必須となります。対応しない場合、該当ASINの出品が停止されるリスクがあります。

対応手順(Amazon公式ガイドラインより抜粋)

①Amazonセラーセントラル(出品者用の管理画面)の「在庫管理」から該当ASIN(Amazonでの商品識別番号)を確認します。
②「商品を編集」→「画像」セクションでバイリンガルラベルのパッケージ画像を追加します。
③保存して完了です。

すでにバイリンガル表示済みの場合は追加対応不要ですが、未対応の場合は速やかにパッケージ・ラベルの見直しと画像差し替えが必要です。

ケベック州「Bill 96」とは?越境EC事業者への影響

ケベック州で2022年に成立した「Bill 96」は、フランス語の使用をさらに強化する法案です。主な内容は以下の通りです。

・商品やパッケージ、付属文書の「一般的・記述的」な英語表記はすべてフランス語に翻訳が必須
・商標(トレードマーク)であっても、一般的な単語や説明的な語句はフランス語併記が必要
・店舗や工場の看板も「フランス語が2倍以上の大きさ」で表示
・使用説明書が商品に刻印・焼き付けされている場合もフランス語必須
・違反時は行政指導や消費者からの訴訟リスク

この法案は、カナダ連邦の商標法と矛盾する部分もあり、実務上の混乱やコスト増大(1商品あたり2万~10万ドルのパッケージ変更費用が発生するケースも)を招いています。特に越境EC事業者にとっては、ケベック州向けの販売継続が経済的に困難になる可能性も指摘されています。

実務上の注意点と今後の対応策

◎パッケージ・ラベルの全面見直し
英語・フランス語の両方で「商品名」「内容量」「販売者情報」「成分」「アレルギー表示」など必須項目を明記しましょう。また、フォントサイズや配置も規定に準拠した方がよいと思われます。

◎商品画像の差し替え
Amazon出品ページの画像欄に、バイリンガル表示が明確なパッケージ写真をアップロードしましょう。

◎商標・ブランド名の扱い
一般的・記述的な単語は、フランス語併記が必要となります。商標権とのバランスに注意し、必要に応じて専門家へ相談することをお勧めします。

◎サプライチェーン・コスト管理
パッケージ変更に伴うコスト増や納期遅延に備え、早めの準備が重要です。

◎法規制の最新情報を常にチェック
カナダ連邦・ケベック州の規制は今後も変更の可能性があります。Amazonのセラーセントラルや公式ガイドラインも随時確認していきましょう。

※本記事ではAmazonカナダを例に解説していますが、ラベル表示義務はケベック州の法規制に基づくため、販売先にケベック州が含まれている場合は、他のECモールや自社ECでも同様の対応が必要です。各ECモールのガイドラインをよく確認して順次対応していきましょう。

おわりに

どの国や地域にも言えることですが、今回のカナダ市場での越境EC成功のカギは「法令順守」と「迅速な対応」です。出品が無効になる、もしくはアカウントIDがBANされる可能性を防ぐためにも、まずは影響を受ける商品のリストを確認して、対応済みラベルの商品以外は取り下げておくのが無難です。

また、日本セラーにとってハードルが高いのが、フランス語と英語の両方がないとNGであるという点です。文字が小さすぎて読めないなど明確でないものもNGです。フランス語と英語の二ヶ国語ラベルを撮影して商品画像に含めておくことを推奨します。さらに、商品カテゴリーの設定が適当なまま出品されていて、食品や飲料品でない商品が食品・飲料カテゴリーになっていると、違反とみなされる可能性がありますので、これも注意が必要です。

今回はカナダの話題でしたが、パッケージラベルの表示といえば、たとえばEUでも英語表記の他にEU加盟国の主な言語(ドイツ語・イタリア語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語など)での表記が求められています。これを機に、パッケージラベルの言語表記を全面的に見直すのもいいかもしれません。

参考:EUで販売されているコーヒーのパッケージ裏。多言語で表示されています。

規制強化に戸惑う声もあるかもしれませんが、今こそカナダ市場での信頼と売上を築くチャンスでもあります。確かな対応で、世界に誇れる商品を届けていきましょう!

参考文献:
How Canada regulates consumer packaging(Packaging Gateway)
What Quebec’s Bill 96 Will Mean for Trademarks and Businesses(International Trademark Association)
Navigating Food Label Laws in Canada(LAT Multilingual)

※本記事は2025年4月時点の情報に基づいて執筆しています。最新情報は公式サイト等でご確認ください。

Writer 山田彰彦

山田 彰彦 代表取締役 越境ECコンサルタント eBay JAPAN創業メンバー、ヤフー株式会社コマース事業などを経てGMOグローバルEC(旧ジェイグラブ)株式会社を創業。越境EC歴24年。イーベイ・ジャパン公認コンサルタント、ジェトロ新輸出大国コンソーシアムEC専門家、中小企業庁「新しい担い手」越境EC委員も務める。

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