こんにちは。GMOグローバルECの横川です。
以前、タイとインドネシアで、EC(電子商取引)に関する新たなルール作りが進んでいるということをこのブログで書きました。
参考:タイのECガイドラインが示すもの
インドネシアの中国系EC規制が示す本質
一見すると別々のニュースに見えますが、実は両国とも同じ方向を向いています。それは、
「海外の激安EC対策」から「巨大プラットフォーム対策」への移行 です。
これまで東南アジアでは、中国系越境ECの急拡大が問題視されてきました。
Temu、Shein、TikTok Shopなどを通じて、「低価格 × 大量流入 × 直送」というモデルが急速に拡大。
その結果、国内中小企業(SME)が価格競争で苦しみ、政府が規制に動き始めました。インドネシアではすでに2023年頃から、
・SNS上での直接販売規制
・超低価格輸入への対応
・国内中小企業保護
などが進められてきました。
そして今回、インドネシア政府は次の段階として、ECプラットフォームそのものへのルール見直しを検討しています。背景には、中小企業からの不満があります。
「売上が増えても利益が残らない」という声です。
特に問題視されているのは、
・販売手数料
・物流費負担
・広告費負担
・不透明な管理費
です。つまり、
「安い海外商品だけが問題なのではなく、プラットフォーム側の力が強すぎる」という議論に変わりつつあります。
これはタイでも同じです。
タイ政府も現在、ShopeeやLazadaなどのECモールの高い手数料について問題視し始めています。モール依存が進んだ結果、
「売れても利益が残らない」
という事業者の不満が強まっているためです。
特に、販売手数料、広告費、物流補助縮小などが、中小事業者の利益を圧迫していると見られています。
タイ政府は、現在の手数料は高すぎるとして、一定の上限や適正化の議論にも踏み込み始めています。
つまり、両国とも方向性はかなり似ています。
第1段階:海外激安EC規制
(Temu・Shein・中国直送対策)
↓
第2段階:巨大プラットフォーム規制
(Shopee・TikTok Shopなどの影響力抑制)
↓
第3段階:国内事業者優遇
(ローカル商品優先表示など)
という流れです。
これは単なる東南アジアの特殊事情ではありません。EUでは巨大プラットフォーム規制(DMA)が進み、日本でもプラットフォーム透明化法が導入されています。つまり世界的に、
「市場をモール任せにしない」という方向へ動いているのです。
では、日本企業にとってこれは追い風なのでしょうか。
部分的には追い風と言えます。なぜなら、
「安さだけの直送モデル」
がやや不利になり、
「品質」「安心感」「ブランド」
が評価されやすくなる可能性があるからです。ただし、
「日本製だから売れる」 という話ではありません。
むしろ重要なのは、「どう現地経済に入っていくか」です。今後は、越境ECで市場テストを行い、
→ 売れ筋を確認し、
→ 現地パートナーや代理店につなぎ、
→ 現地化していく
という流れがさらに重要になっていくでしょう。言い換えると、
「どこで売るか」から「どう入るか」の時代に入ってきたとも言えそうです。
参考記事
Thailand targets high e-commerce platform fees
Indonesia Plans E-Commerce Rule Revision After SME Complaints Over Fees


































