こんにちは。ジェイグラブの横川です。
ECの最大の市場であるアメリカが、トランプ関税で冷え込み始めているため、多国化展開に舵を切り始めた企業も多いかと思います。
私は、「ネットなら最初から国やエリア絞らずに全世界を相手にしろ」といい続けてきたので、このターゲットの絞り込みをする人のセンスのなさに辟易としています。全世界を相手にしろというのは、まさにこういう時、事件・事故・政変・戦争などが起きたときにエリアを絞ってたら途端に道がなくなるからです。実はこれは私の個人的な経験によるところが大きいのですが、コンサルティングの王道であるターゲット選定を指示する人は、おそらく大して越境EC経験はないんでしょうね。
さて、話がそれたので元に戻します。
今回のように頼ってた地域が頼れなくなった場合、他の地域にシフトして注力するわけですが、私ならアジアではなくヨーロッパにします。アジアの方が親日的な人も多いし、日本人というだけで歓迎されたりして良い記憶を持っている人も多いでしょうから「アジアはチョロい」と考え、欧米には憧れるけど、それだけに壁が高いなどと勝手に壁を高くして敬遠する昭和の(それも1ドル360円時代の)国際感覚の人がたくさんいます。
しかし、成長率はアジアに及ばないとしてもECが早くから定着したヨーロッパの方が取引はしやすいです。しかも、近年は東欧の成長が著しく、このところのヨーロッパのEC成長のけん引役は東欧になっています。
欧州のeコマースは7%成長
欧州におけるオンライン消費者支出は昨年7%増加し、8,190億ユーロに達しました。業界団体であるEcommerce EuropeとEuroCommerceは、今年もさらに7%の成長を予測しています。オンライン支出は特に東欧で力強く伸びています。
インフレ調整
しかし、報告された7%の成長率はインフレによるものです。研究者によると、昨年の実質成長率は4%で、今年も同様の成長率が見込まれています。
とはいえ、調査対象市場における実質オンライン支出がわずか1%しか伸びなかった2023年と比べて、eコマースの業績が好調であることを意味します。その前年のCOVID-19後の2022年には、実質支出は3%減少していました。
地域差
オンライン消費支出は、東ヨーロッパで最も高い伸びを示し、名目成長率18%(実質成長率10%)を記録しました。これに続いて南ヨーロッパが名目成長率9%(実質成長率7%)を記録しました。続いて中央ヨーロッパが8%(実質成長率5%)、北ヨーロッパが7%(実質成長率4%)、そして西ヨーロッパが続いています。ヨーロッパ大陸最大のeコマース地域では、昨年のオンライン消費支出は5%増加しました(インフレ調整後では3%増加)。
東欧と南欧では、いわゆるオンラインショッピングの普及率がそれぞれ57%と61%と、依然として低い水準にあります。昨年、16歳から74歳までのヨーロッパ人口の平均73%がオンラインで買い物をしていました。
包含基準
欧州Eコマースレポート2025の集計基準は、前年とは異なる点に注目すべきです。例えば、今年は英国における製品販売のみが集計対象となっていますが、昨年はサービスも含まれていました。「各国が独自の方法論を適用していることに留意することが重要です」と、Ecommerce EuropeとEuroCommerceは述べています。B2C Eコマースの売上高にサービスがどの程度含まれるかは、国によって大きく異なります。「そのため、国間の直接比較には注意が必要です。」以前のレポートの数値との比較についても同様です。2025年版レポートでは、一貫した定義と指標が適用され、欧州のEコマースの動向に関する信頼性の高い全体像が示されています。
イノベーションと適応
電子商取引の現状について、業界団体は、この分野は「革新と適応を続けている」と結論付けているものの、コンプライアンス、グローバル競争、消費者の信頼、そして持続可能性に関連した複雑な課題にも直面していると指摘しています。「欧州におけるデジタル商取引が公正で、回復力があり、競争力のあるものであり続けるためには、業界、各国政府、そしてEU機関間の継続的な対話が不可欠です。」
報告書の著者らによると、 Ecommerce EuropeとEuroCommerceは特に「複雑な規制とEU規則の不均一または不十分な施行」を強調しており、これがEUに拠点を置く企業とEU外に拠点を置く企業の間で不公平な競争条件につながっていると報告している。
参考:Ecommerce in Europe grows 7 percent
おわりに
記事にも書かれている通り、現在ヨーロッパのECは色々と過渡期にあり、法整備が矢継ぎ早に行われ、ここしばらくはそれに対応していく必要も増えます。
また、ヨーロッパと一言で言っても、EU加盟国と非加盟国で適用ルールが異なりますので、このあたりはすこしややこしくなります。
法整備がしっかり進んでいるのはEU圏内と英国です。とりあえず、下記の「関連記事」にはこの数年で改正される法律関連の記事をまとめてありますので、ご参照ください。

































