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越境ECブログ

越境EC上の偽造品に対する日米記事とチャンスに変える考え方

    昨日、産経新聞が日本商品の偽造品が海外のECモールに出品されており、それに対する対策もいたちごっこになっているという記事がありました。
    参考:そっくり「ニセ日本製」はびこる海外ECサイト 国内メーカー、模倣品対処もいたちごっこ(産経新聞)

    日本の中小企業が、海外のモールに出品されている商品をチェックして削除依頼するのは、たとえAIの力に頼ったとしても負担が大きいですし、海外でも商標を登録するなどするという対策も思いつきやすいですが、そのコストをどうするのか、海外展開する気のない企業の商品まで偽造品が出されている状況で、そんな企業にまで海外の商標登録のコストを負担させるのかなど、様々な課題がでてきます。
    ちなみに、偽造品と本物を見分ける方法として本物保証をするための仕組みやQRコードを用いた真贋照会システムなどもあります。日本では個人的にお世話になった人がキヤノンITソリューションズにおり、同社がこの分野では先行していましたが、その方の後を引き継いだ方とMTGした際に、最近は大規模事業しか相手にしていないと言われてしまい、中小企業には案内できず、利用しづらい状況です。他の事業者の類似サービスが仮に使えるにしても、買い切りではなくサブスク型が多く、使用料などの形でランニングコストは増加します。

    そして、ほぼ同じタイミングで、海外でもカウンターフィットに対する記事が出ていました。
    参考:Consumer Reports investigation reveals online counterfeits
    ちなみに、海外では偽造品・模倣品の定義が細かいです。
    本物に到底及ばず、本物ではないことを自ら認めているようなものはパイレート・エディションと呼ばれ、本家が展開するつもりのないものを勝手に展開しているものをブートレッグ、本家がすでに展開しているもので、ディテールまで真似し、素人には判別できないようなものをカウンターフィットと呼びます。

    この記事では、自転車用のヘルメットやチャイルドシートなど、安全性が重要なアイテムのカウンターフィットが蔓延し、Amazon、eBay、Facebook Marketplace、Shein、Temu、Walmartから無作為に購入してみると、米国の法的要件を満たしていない物があったとのことです。

    消費者関連の政策専門家は、「米国の賠償責任法は時代遅れであり、オンラインマーケットプレイスは自社のプラットフォーム上で第三者が販売する商品の安全性に対する責任を回避するために、しばしばこれらの法律を利用している。これは変える必要がある」と現状を容認できない姿勢を出している。

    現状では、偽造品を購入してしまった場合、専門家は直ちに返品し、プラットフォーマーに報告することを推奨していると結んでいました。


    最近、越境EC界隈は不利な条件が多くなってきたが・・・

    トランプ大統領の登場により、まず、関税が問題になりました。
    しかし、問題となったのは中国・香港製の商品であり、この2地域で生産された商品でない限りは、デ・ミニミス・ルール(800ドルまでの申告品は関税が非課税)が適用され、BtoC越境ECでの影響は軽微で済むと思われていました。

    しかし、「One Big Beautiful Bill(唯一無二の偉大で美しい法)」が7月上旬に米上下院通過、大統領署名により成立し、デ・ミニミスが2027年7月を持って撤廃となりました。

    ここまでなら、まだ2年あるとのんびりもできますが、先日お伝えのとおり、トランプ大統領は自らが推進した法律をさらに破り、「デ・ミニミスは8月29日に撤廃しろ!」と言ったとロイターが伝えました。
    参考:【超速報】また始まった!急にデ・ミニミスを8月29日から撤廃しろとトランプ大統領のたまう・・・

    このロイターの記事では、ただ大統領がそう言ったと伝えているのみで、実際大統領令を発布したとか、署名したといったニュースではないため、個人的には現時点では「エプスタイン問題が収束しなくて焦っているジジイのたわごと」として受け止めていますが、世界のニュース記事を追っていると、もう決定してしまったかのような論調で配信している記事もあります。

    この「たわごと」が実現してしまうと、来月からはあらゆる越境ECでの発送品に15%の関税がかかることになり、インフレで苦しむアメリカ人が越境ECで購入することをためらうという事態が想定され、非常によくないです。

    そんな中で、追い打ちをかけるようにこの偽造品報道です。

    しかし、この偽造品報道、本当に不利な条件の追い打ちでしょうか?

    これに関しては泣きっ面に蜂とは思いません。むしろチャンスです。

    もちろん偽造品対策を行う必要はある程度は必要でしょう。しかし、冒頭で書いた通り、人的面でも金銭面でも負担が大きすぎて、簡単に対策はできません。

    そこで、「本物はここにしかない!」という啓蒙を徹底して行うことで偽造品を購入してしまう消費者に自己責任論を押し付ける空気を作っていくことが最も簡単です。

    ・公式自社ECサイトで購入すれば確実
    ・海外ECモールの公式アカウントから購入すれば確実
    ・本家がこの企業にしか海外展開は委託していないと発する

    これをSNSで広告をかけて発信して認識させるのが手っ取り早いでしょう。ひとまずは。
    ここでもコストは掛かってしまいますが、冒頭の対策にかけるコストよりゼロがひとつもふたつも違います。

    この方法がうまく行けば、トランプ関税の影響も軽減できます。本物が欲しければ15%は我慢するしかないと思う他になくなりますから。

    Writer 横川 広幸

    横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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