こんにちは。GMOグローバルEC株式会社の横川です。
2000年代初頭、ITが本格的に社会に浸透した時、「ホームページを持たないのはこの世に存在していないに等しいですよ」と脅されて、よくわからないままコーポレートサイトを作らされた人も多かったのではないかと思います。
なので、今回のブログタイトル「AIに選ばれないECサイト=存在しないのと同じ」をみたら、
またか・・・、また始まったよIT系の奴ら・・・
と思われたかもしれません。しかし、
こればかりは違うんです。明確にデータとなって現れているんです。それを紹介します。
これまでEC業界では、「検索結果の上位に表示されること」が重要だと言われてきました。SEO対策に力を入れ、検索エンジンからの流入を増やすことが成功の鍵でした。
しかし、AI時代に入り、その前提が大きく変わろうとしています。
ある調査によると、約1万のECサイトを対象にAIによる商品推薦の傾向を分析した結果、実に60%のサイトが一度も推薦されなかったそうです。
参考:AI is choosing which online stores you see, and it’s ignoring most of them
この数字は非常に示唆的です。
従来の検索エンジンであれば、たとえ検索順位が低くても、ユーザーが何ページも見ていけば発見される可能性はありました。しかしAIによる推薦では事情が異なります。
ユーザーはAIに対して、
「おすすめの商品を教えて」
「○○に合う商品を探して」
と尋ねます。するとAIは膨大な候補の中から比較・検討を行い、最終的に数点だけを提示します。
つまり、AIに選ばれるか、完全に無視されるかの二択になりやすいのです。
これは検索結果100件の中で50位になるのとはまったく違います。AI時代は「0か1か」の世界です。
一方で、この調査結果には中小企業にとって希望もあります。
最も多く推薦されたショップですら、全体の推薦率はそれほど高くありませんでした。つまり現時点では、巨大企業だけが独占しているわけではないのです。AIもまだ「どの商品や店舗を推薦すべきか」を学習している段階にあります。
では、AIは何を見ているのでしょうか。
多くの場合、AIはブランドの知名度よりも、商品情報の理解しやすさを重視します。
例えば、
・商品名が明確である
・用途がわかりやすい
・誰向けの商品なのか説明されている
・素材や仕様が整理されている
・サイズや重量が明記されている
・FAQが整備されている
・構造化データが実装されている
こうした情報はAIにとって非常に理解しやすいものです。
逆に、
・職人の想い
・創業ストーリー
・抽象的なブランドメッセージ
・感覚的な表現
ばかりで商品情報が整理されていないページは、人間には魅力的でもAIには理解しにくい可能性があります。
もちろんストーリーは重要です。
しかし、AIに商品を理解してもらうためには、その前に商品情報そのものを整理・構造化する必要があります。
私は最近、「商品辞書」という考え方が重要になると考えています。
商品名、用途、素材、特徴、サイズ、対象者、利用シーンなどを体系的に整理し、AIが理解しやすい形でまとめておくという考え方です。AIは商品を理解し、比較し、推薦します。そのため、まず商品情報を構造化しなければなりません。
これは今後の越境ECでも同じです。
ECプラットフォームにおいても、将来的にはAIエージェントが商品を探し、比較し、購入する流れが一般化していくでしょう。
これまで重要だったのは、
・SEO対策
・広告運用
・SNS運用
でした。もちろんこれらが不要になるわけではありません。しかし今後は、それに加えて、
・AI推薦対策
・商品データの整備
・属性情報の充実
・構造化データの実装
・商品辞書の作成
といった取り組みが競争力を左右するようになります。
「Google検索の1ページ目に表示されること」が目標だった時代から、「AIの回答に含まれること」が目標になる時代へ。
EC担当者の仕事も、SEO担当からAI推薦担当へと変わっていくのかもしれません。今回の調査結果を見る限り、多くのECサイトはまだAIに読まれる準備ができていません。だからこそ、日本の中小企業にも十分なチャンスがあります。大企業と同じ広告費を使わなくてもいい。
AIが理解しやすい商品情報を整備し、正しく伝えることができる企業が選ばれる時代が始まろうとしています。
































