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越境ECブログ

eBay復活!熱量市場が日本企業向き

こんにちは、GMOグローバルEC株式会社の横川です。

日本人は世界の中でも異様に不安症なので、「寄らば大樹の陰」感が強く、なにか新しいことを始めるときには「始める前から何となく聞いたことがあるから」という安心感だけで、上司にはそれっぽい提案書を書き、責任を追わないで済むように物事を決めてしまう傾向があります。

そのため、ハマればいいのですが、ほとんどの場合偶然性を期待しているだけなので、うまくいかず、結果的にコストと時間を無駄にかけ、気づいたときにはやり直したくてもブルーだった市場がレッドになっており、徒労に終わってご苦労さまというパターンが多いです。

本記事では、「越境ECするなら◯◯だろう」と先入観だけで決めていそうな担当者に是非読んでいただきたい記事です。


eBay復活で、「Amazon型」ではなく日本企業に相性の良い「熱量市場」が熱くなった

長らく「静かなプラットフォーム」と見られがちだったeBayですが、ここにきて復活の兆しが鮮明になっています。英誌The Economistは「The remarkable revival of eBay(eBayの驚くべき復活)」という記事で、eBayが再び成長軌道に戻りつつあることを報じました。
参考:The remarkable revival of eBay

一時はAmazonに押され、「古い」「使いづらい」「時代遅れ」とまで言われたeBay。しかしここ数年、その戦略を大きく転換し、徐々に成果が見え始めているようです。

その最大の変化は、「Amazonの真似をやめた」ことにあります。

かつてのeBayは、総合ECとしてAmazonに近づこうとしていました。より便利に、より幅広く、より大量に売る方向を目指していたわけです。しかし、その戦略では勝てません。Amazonは「安い・早い・品数が多い・レビューが豊富」という合理性の王者であり、同じ土俵で競争すれば、規模の小さい事業者ほど価格競争に巻き込まれてしまいます。

そこでeBayは方向転換を行いました。現在のeBayが力を入れているのは、蒐集癖をそそらすアイテムや、こだわりが見えるアイテムといった「熱量の高いカテゴリ」です。さらに真贋鑑定サービス(Authenticity Guarantee)も強化し、高額商品でも安心して売買できる仕組みづくりを進めています。

つまりeBayは、「何でも売るEC」から、「好きな人が深く買うEC」へと変わろうとしているのです。

ここで重要なのが、「Amazon型」と「eBay型」の違いです。

Amazon型とは、「同じような商品を比較し、最も合理的なものを選ぶ市場」です。USBケーブルや一般的な文具、日用品、消耗品でかつ大量生産品などが典型例でしょう。買い手は、「安い方がいい」「早く届けばいい」「レビュー数が多い方が安心」と考えます。つまり、“代替可能な商品”の世界です。

一方、eBay型は違います。そこでは「その商品だから欲しい」が成立します。職人が作った道具、伝統工芸品、限定モデル、ヴィンテージ商品、コレクション性の高いもの、あるいは作り手の背景やストーリーが感じられる商品です。買い手も、「これじゃないとダメ」「背景込みで欲しい」「多少高くても構わない」という価値観で購入します。

ここに、日本企業への大きな示唆があります。

日本企業、とくに中小メーカーが、中国勢と「Amazon型」の市場で正面から戦うのは容易ではありません。中国勢は大量生産、低価格、スピード競争に強みを持っているからです。しかし、日本企業には別の武器があります。職人性、品質へのこだわり、小ロット生産、限定性、そして文化的背景や物語性です。

言い換えると、日本企業が強いのは「価格競争」ではなく、「文脈で売る力」にあります。

そして面白いことに、eBayがいま再評価されている理由も、まさにそこです。安さではなく、こだわり。大量販売ではなく、熱量。効率性だけではなく、「その商品に意味があるか」が問われる世界です。

もしeBayの復活が本格化するのであれば、それは単なる一企業の業績回復という話ではありません。日本企業にとって、「価格競争の消耗戦ではない勝ち方」が、まだ世界に残されているというシグナルなのかもしれません。


おわりに

エコノミストの記事はeBayの復活という内容でした。以前からこの記事がいうような違いは際立っていました。ものづくりにリスペクトできるユーザーはeBayのほうが多いことなどです。私もAmazonでもeBayでも買い物しますが、アマゾンは安くて失敗してもいいやと思えるものとかしか買っていませんね。そしてeBayでは出品者の説明をしっかり読んで購入してます。

そもそも日頃Amazon推しのアメリカのECコンサルである、リアーナ・ケリーでさえも、
「認知度の低い商品でブランディングをするフェーズならeBayだ(ある程度認知度がついてからAmazonに引っ越せばいい)」ときっぱり言っています。

同じくアメリカのEC評論家のダグラス・スティーブンスは、
「わたしたち人間が買い物をするのは少なくとも、常に「モノを手に入れる」のが目的ではない。われわれは新しいモノに出合うために買い物をし、友だちと楽しみ、自分を満足させるために買い物をする。 わたしたちは、ハンティングのようなスリルを味わうために買い物をする。狙ったものを見つけたときには、脳内物質のドーパミンが出て気持ちよくなる。Amazonはこうした買い物の副次的な楽しみにはほとんど関心がない。Amazonでの買い物は、孤独で、静かで、心躍らない体験という点で、カタログショッピングがオンラインになったというだけだ。」と語り、eBayのほうがそれを満たしてくれると書いていました(この人は元々Amazon嫌いでeBay寄りの記事を書く人ですがw)。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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