こんにちは。GMOグローバルEC株式会社の横川です。
ECを行う以上、どうしても避けられないのが返品です。
だいたい11月から12月のホリデーシーズンがすぎると、返品の嵐となり、アメリカのUPSでは1月上旬を「ナショナル・リターンデー」と自嘲気味に言っているほどです。
返品対応は避けたいものですが、この対応がしっかりしていると、逆に顧客のファン化=売上増も見込めることがデータではっきりわかっているので、考え方によってはチャンスでもあるのですが、しかし、それでも避けたいのが人の情というもの。これまでAIとECの話というと、消費者の商品探し、店舗側の出品などに関するオペレーティングの話に集中していましたが、この返品オペレーティングもAIで変わっていくことが期待されています。
参考:返品は大チャンスなのですが・・・
今回参考にした記事は、Ecommerce Trends: Why AI choices, charges and friction all matter for returns(Eコマースのトレンド:AIの選択、料金、摩擦が返品に影響を及ぼす理由)です。
要点をまとめると、
1. 返品は「例外処理」ではなく「前提コスト」になった
- 返品は防げない → どう設計するかの問題に移行
- EC成熟市場では、返品率20〜30%は普通
- 特にアパレル・シューズ・家具などは「試す前提」で買われる
2. AIは「返品を減らす」より「返品を賢く扱う」方向へ
従来は、サイズガイド改善したり、写真を増やしたり、レビューを充実させたりして誤解させないように努力してきました。
しかし、AI時代は、誰が返品をよくする傾向にあるかを事前に予測し、返品されやすい商品・組み合わせを把握し、返品コストが高い注文を抑制するというような器用なことが可能になっていくことが予想されます。
つまり、全員に同じUXを出さないことで返品常習犯とのやり取りを減らす事ができるというわけです。
しかもこれが賢いのは、店側には返品常習犯を減らす効果があり、返品常習犯は返品ありきで購入を企んでいても、いっちょやったろうと思いたくなるような商品の表示がされなくなるので、本人は避けられているという感じがしないため、「差別している」みたいなほぼ言いがかりなクレームも起きにくいという構図が生まれます。いいことづくめじゃないですか、これ。
3.返品課金が再評価されている理由
記事では、返品有料化が再び現実的な選択肢になってきたとしています。
ただし重要なのは、一律で課金とすると、 炎上しやすく、コンバージョンの低下を招くので、AIで条件付き課金とすると、人によって見え方が変わるわけですから返品有料化も受け入れられやすいと記事で言っています。「罰」のような感覚ではではなく、行動誘導感覚に変化するというわけです。
例えば、常習返品ユーザーのみ有料、明らかにサイズ違いを繰り返すケースのみ課金、高コスト返品(大型・国際配送)のみ課金などが考えられます。
4.AIが見ているのは「商品」ではなく「行動」
ここまでの内容のように、AIが学習しているのは、商品単体の良し悪しではなく、「購入 → 使用 → 返品」までの行動パターンを見ていきます。
例えば、こうした学習が蓄積されていくと、この人は「イベント用に1回着て返す」、この国・この配送方法は返品率が高い、このSKUは初回購入者だと返品されやすい等々、条件によって対応が分岐していくということです。
5.結論:返品はUXではなく「経営変数」になった
この記事の一番大事なメッセージは、
- 返品率
- 返品コスト
- 再販可否
- 廃棄率
これらをAIでリアルタイム最適化しないと、「売れているのに利益が出ないEC」になるよということです。

































