最近、東南アジアのEC界ではアフィリエイトマーケティングが注目を集めているようです。
impact.comとCubeの「東南アジアにおけるインフルエンサーマーケティング 2025」(Influencer Marketing in Southeast Asia 2025)によると、東南アジアではFacebookの利用率が91%、YouTubeが89%と高水準の中で、アフィリエイトマーケティングがインフルエンサーコマースの成長をけん引していると紹介されています。消費者の83%がアフィリエイトリンク経由で購入を経験しており、すでに主流の購買チャネルに成りつつあると言えます。

アフィリエイトマーケティングとは?
アフィリエイトマーケティングとは、成果報酬型のマーケティング手法です。ブロガーやYouTuberなどのアフィリエイターが商品やサービスを紹介し、紹介リンクを経由して商品が売れたら、アフィリエイターに報酬が支払われる仕組みです。宣伝費用は成果(購入)ベースなので、費用対効果が明確です。
SNSやYouTubeとの違い
YouTubeやFacebookでは広告を出す「広告型モデル」です。一方、アフィリエイトはパフォーマンス重視で、成果が出た分だけ報酬が発生するので、広告主から見るとリスクが少なくコスト効率が高いのが特徴です。
なぜアフィリエイトがSNSプラットフォームに取って代わるのか?
ではなぜ、アフィリエイトがSNS広告に代わる選択肢として注目されているのでしょうか?調査によると、以下の3つの理由が考えられます。
① 消費者の信頼構造の変化
冒頭の調査によれば、東南アジアでは、有名インフルエンサー(フォロワー100万人以上)による宣伝の「影響力・信頼性」が前年より7%減という結果が出ており、消費者は「本当にその人が使っているの?」という疑問や“やらせ”感に敏感になりつつあります。一方で、アフィリエイターや等身大のインフルエンサーを通じての購買経験者は83%以上と、マイクロ/ナノインフルエンサーの方がより信頼されているという傾向が見られます。つまり、「身近で信頼できる小規模クリエイターが紹介する商品=本当に欲しい」と感じられるのです。
② ショッパブル(購入連携)コンテンツの浸透
同調査によると、31%の消費者がインフルエンサーがシェアしたリンクから購入しており、プラットフォーム上で直接購入できるコンテンツが強力な購買ドライバーになっています。YouTubeとShopeeの提携によるショッパブル動画のような施策も、こうしたニーズに応える動きです。
③ 成果が測れる=広告効率が圧倒的
Facebook広告やYouTube広告も便利ですが、成果が不確実(クリックしても買わないなど)がある中で、アフィリエイトは明確なKPI設計とROI測定が可能です。広告主は「リンク経由で購入された件数 × 単価 × 報酬率」で損益計算ができるため、戦略の立てやすさが違います。
SNS広告とアフィリエイトマーケティングの違い
ここで、アフィリエイトとSNS広告が具体的にどう違うのか、表で整理しておきます。目的やコスト構造、信頼性の違いが、なぜアフィリエイトが注目されているかをよく表しています。
| 項目 | SNS/YouTube中心 | アフィリエイトマーケティング |
|---|---|---|
| 目的 | 認知拡大・集客・共感形成 | 購買アクションの刈り取り |
| コスト構造 | 固定報酬・高コスト(有名人) | 成果報酬・柔軟なコスト制御 |
| 信頼性 | 広告色強・やや低下傾向 | 体験談主体で信頼感アップ |
| KPI | リーチ数、エンゲージメント | 実購買(CV)、ROI、LTV |
越境ECにおける活用事例
東南アジアでは、例えばタイやインドネシアのマイクロインフルエンサーと提携すれば、現地の言語・文化・価値観に最適化された紹介が可能です。越境ECにおいて、この“親近感”と“信頼感”が成果に直結します。
また、越境市場への広告は言語や文化を踏まえ、失敗リスクが高まりますが、アフィリエイトなら成果が出るまで報酬が発生しないので、事前コストの無駄を減らせます。
ShopeeやLazada、TikTok Shopと連携し、ファネル戦略を用いたモデルも登場しており、商品発見→購入までの導線をスムーズにすることで購入率を高めています。重要なのは、「どちらか一方」ではなく、両者の強みを掛け合わせる戦略です。
おわりに
東南アジア調査報告は、「単なるバズり」よりも「消費者のリアルな経験」が重視される時代の転換点を明らかにしています。アフィリエイトマーケティングは、ビジネス視点で見てもリスクとリターンのバランスが極めて良い最新戦略です。
越境ECの成功のカギは、現地消費者の目線に寄り添い、信頼されるレビューを集めて購買アクションへ導くマーケティング基盤を作ることです。その第一歩が、信頼性×可測性×成果重視のアフィリエイトを戦略的に捉える発想です。
YouTubeやFacebook広告の一方通行な露出ではなく、現地クリエイターとの信頼構築型の越境展開をめざして、アフィリエイトマーケティングに着目してみるのも1つの戦略です。越境ECの海外展開にこの最先端手法を取り入れ、“現地に刺さる”ブランドへと進化させる―その選択が、これからの成長の鍵になるかもしれません。
参考文献:
研究:YouTubeとFacebookが東南アジアにおけるアフィリエイト戦略の鍵に(VOI)
Affiliate marketing drives e-commerce in SEA amidst Facebook, YouTube usage surge: report(MARKETECH APAC)
Influencer Marketing in Southeast Asia 2025(Cube、impact.com)


































