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越境ECブログ

今週からアメリカ行き越境EC発送について大幅ルール変更

こんにちは、ジェイグラブの横川です。

4月4日に掲載した「トランプ関税と越境EC」からそろそろ1ヶ月が経ちます。当該記事で既に記載済みですが、今週から5月2日にかけて越境ECの(主に)BtoCで売れた商品をアメリカへ発送する際のルールが変わります。

日本から送る荷物にはデ・ミニミス・ルールが大抵の場合は適用されますが、若干ルールが複雑化しており、買い手の協力もないと関税が発生してしまうケースがありますので、下記でご確認ください。結構複雑です(アメリカ人の買い手がしっかり準備できるとは思えず、考えるだけで気が滅入りますが・・・。)

【目次】
1.中国・香港原産品を発送する場合
  A. FedEx International Connect Plusシリーズ
  B. FedEx International Priority or Economy、DHL、UPS

2.中国・香港原産以外を発送する場合
  C. FedEx、DHL、UPS

3.その他(DHL、UPS)

4.国際クーリエ共通ルール

5.日本郵便

6.一覧表

7.最重要ポイント!(周知、トラブル)


今週から国際クーリエ発送のルール変更

A. FedEx International Connect Plusシリーズを利用する場合
①買い手のFedExアカウント番号
関税等の支払いのために買い手の有効なFedExアカウント番号を提供する必要になりました。そのため、買い手にFedExアカウント番号を発送前に確認することが重要です(確認したらFedExの指定する箇所に買い手のFedEx番号を入力する)。
ない場合は、関税等の支払者は売り手のFedExアカウント番号に自動的に変更されるとのことで、インコタームズでいうとDDP、つまり売り手側で関税を負担しないとなりません。

②HTSコードの入力(HSコードではありません!)
HSコードは、日本の税関サイトで確認できる4~6桁の数字で、昨年からルールの厳格化(下記、関連記事「米国税関のルール改定~」参照)がされていますので、記入経験のある人も多いと思いますが、今回求められるのはHTSコードです。HTSコードは米国が定める10桁の番号です。詳細は以下のサイトで確認できます。
アメリカ国際貿易委員会のサイト(外部に飛びます。英語)

上記のサイトで調べるには、自身の商品を英語で検索する必要があります。それがよくわからないという場合は、AIに聞くと回答してくれます(素材と商品ジャンルを指定してHTSコードを教えてと指示すれば回答してくれます。とりあえず、実際にGoogleのGemini(無料)でやってみましたが、しっかり回答を得られました)。

B. FedEx International Priority、またはInternational Economy、DHL、UPSを利用する場合
③買い手のFedExアカウント番号、DHL、UPSアカウント情報
不要

④HTSコードの入力
必要。詳細は上記②を参照してください。

C. FedEx、DHL、UPSを利用する場合
⑤買い手の運送業者アカウント番号
不要

⑥HTSコードの入力
800米ドルを超える場合は必須(800米ドル以下でも記入を推奨はされています。DHLは800米ドル以上は引受停止中)。詳細は上記②を参照してください。

※FedExの場合で買い手のFedExアカウント番号がわからない場合は、FedEx International Connect Plusシリーズ以外を使えばいいということになります。なお、FedExにはサービス名に「Pak」、「Envelope」とつくものがありますが、これらの単語がつくサービスはFedEx指定の梱包資材を使わねばなりませんのでご注意ください。

3.その他(DHL)

DHLでは本日4/21より、アメリカ向けのBtoCの荷物で800米ドルを超える貨物の受託を停止する旨の連絡がありました。
一般申告適用の申告金額の引き下げ(2500米ドル→800米ドル)の変更により、アメリカでの通関処理が追い付いておらず、深刻な滞貨が発生しているため、BtoCの貨物の受託停止という判断に至ったとのことです。800ドル以下の貨物については、従来通り対応が可能とのことです。

そのため、今後の対策としては、DHLの場合は、800米ドル未満に分割して複数個口発送を行うなどの工夫が必要です。

DHLエクスプレスは、4月28日、一時停止していた800米ドル超の貨物のDHL配送を再開するとアナウンスしました。これで、他社と同一のルールで運用されます。なお、800〜2500米ドル未満の貨物については、略式通関での手続きとなるようです。

(UPS)

いまのところ情報はありません。

4.国際クーリエ共通ルール

これからは特に中国・香港・メキシコ・カナダ原産の商品は、かなり厳しくチェックされるという話があります。そのため送付状やインボイスの情報不足があると、米国税関で止まり、売り手に返送される可能性が高まります。

そこで、数量、申告額(送料除く)はもちろんのこと、特に原産国については正しく記入する必要があります(「made in 〇〇」など)。これは未確認ですが、場合によっては送付状作成画面で原産国の記入、あるいは選択プルダウンメニューが追加されるかもしれません。

税関申告価額が800ドルを超える場合および中国・香港・メキシコ・カナダ原産の場合

買い手の雇用者識別番号 (EIN) または社会保障番号(SSN)の入力が必要となります。
不足していると、返送される可能性があります。そのため、買い手にこれらの番号を発送前に確認することが重要です。

5.日本郵便

国際郵便で日本から送る場合は、今のところ詳細な情報はありませんが、ニューヨーク・タイムズの記事によると、

米国郵政公社(USPS)については、独自の国際ネットワークを持たず、他国の郵便局から荷物を受け取っているという特殊性があるため、今回の命令では特例が設けられている。

(中国・香港から)郵便で届く荷物には、商品価値の30%、または25ドル(6月には50ドル)のいずれか高い方の料金が課される。
参考:Trump’s De Minimis Order Poised to Upend E-Commerce (英語・有料)

と記載されています。しかし、あのトランプ大統領のことですから、急な思いつきでルールを変える可能性がありますので、これで安心はしないほうがいいと思います。

6.一覧表

表でまとめるとこんな感じになるかと思います(クリックで拡大/2025年4月30日アップデート)。
※2025年5月12日に米中が歩み寄って関税率が下がりましたが、発送ルールに変更はないので、以下の表は覚えておいてください。

7.最重要ポイント!

参考:GW前に休暇設定&”関税の注意喚起”を忘れずに

運送業者は「相手がご存じない可能性がございますので・・・」と丁寧な注意喚起をしていますが、私の感覚としては、「アメリカ人がそこまで理解しているわけがない」前提で動くべきだと思います。

なお、関税が発生する場合は、関税に加え、政府手数料、クーリエ立替手数料なども発生するので、より丁寧に説明するなら、これらもかかるよと伝えておくのがいいと思います(特に中国・香港原産品商品を取り扱っている場合は)。

また、場合によっては、買い手のクーリエアカウント情報や納税者番号等を教えてもらうなどの、相手の協力も必要になりますので、みなさんがどの方法で送る予定かによってこのあたりの説明も変わってきますから注意しましょう。

トラブった場合

相手が、(自身の無知を棚に上げて)支払いを拒否した場合は返送されることが多いですが、その場で破棄の可能性もありますし、関税支払いが売り手に転嫁される可能性もあります(その場合は泣く泣く支払うか、放棄して泣き寝入りですね)。いずれにしても買い手に勝手に商品が届いてしまうことはありません。

また、余計な出費がかかったことを理由に悪評をつけてくる買い手も出てくる可能性があります。その場合は堂々とこちらの正当性を主張してください。ここで下手(したて)に出る必要はありません。海外の接客で「お客様=神様」的な発想は持たなくて結構です(意識を変えよと言い続ける所以です)。売られた喧嘩は買いましょう。そのぐらいの気構えを持つ。それが越境ECというものです。

参考:日本は世界の中でもカレンさんが多く、越境ECのほうがとてもラク


2025年4月22日追記
ロイターが、中国から東南アジアを迂回して輸出された商品に3500%の関税をかけたというニュースや、韓国を経由して韓国産と偽る事例が多発しているというニュースがありました。まぁ、こうなりますわねぇ・・・。こういうのが頻発すると、「中国で生産されたフェンタニルがカナダやメキシコを通して入ってきているからカナダとメキシコの関税を上げる」というのと同じロジックを使われる可能性があるので、韓国も野放しにしてると高関税をかけられるリスクが出てきますね。それを考えると、日本のEC事業者も「バレなきゃいい」と原産国を偽る事例が増えると同じ目に遭ってしまう可能性が出てきます。目先のことだけで動いていると、長い目で見たときに自分で自分の首を絞めかねない・・・そんな状況に感じます。
参考:米、東南アジア経由の中国太陽電池に高関税 最高3500%超
   原産国を韓国と偽る輸出が急増 大半が中国製、米関税回避狙いか

※2025年4月30日午後20時30分追記
トランプ関税上乗せ前に駆け込み購入 アメリカ人観光客「日本にいる間に買わなきゃ」(テレビ朝日)
こういうニュースが出ていますが、インタビューに答えている人たちの購入額は数千円から数万円です。これは普通にECで購入しても関税はかかりません(中国・香港原産品でなければ)。関税で何でもかんでも物価が上がると短絡的に考える人が大量にいることがわかります(こうした心理的な問題の影響で不景気になって行っちゃいそうです・・・)。さすがアメリカ人、何もわかってない。みなさん、デ・ミニミス・ルールがあることを誰もご存じないようなのが丸わかりです。きちんとサイト上でアピールしていきましょう。

※2025年5月13日午前4時追記
米中双方の話し合いにより、お互いにかけていた関税がすこしゆるくなりました。
米国はまず、中国だけでなく日本などにも課している基本の10%の他に、相互関税24%を乗せ、中国が報復してきたのでさらに91%乗せて145%としてきました。この内、91%は廃止、24%は90日間停止しました。
中国は米国からふっかけられた関税に対抗して米国から届く荷物に対して125%の関税をかけていましたが、そのうちの91%は廃止、24%は米国と歩長を合わせて90日間停止としました。
これで、中国産品の米国への輸出には30%の関税ということになりましたが、90日間に米中が決裂や不合意などがあれば、停止中の24%が復活し、54%になります。

中国から郵便で送られる800ドル以下の荷物については、荷物の価値の120%、もしくは1個当たり100ドル(6月以降は200ドル)が課税
としていたものが、
・民間配送業者が扱う中国からの小口輸入品への関税は145%から30%に引き下げ
・中国からの郵送物で800ドル以下のものは中国からの小口輸入品に対する関税を120%から54%に引き下げ、一律100ドルの最低関税は維持
になっています。


おわりに

ここでは、BtoCを中心にした小口輸送を中心に話しており、大口の貿易は書いていませんが、大口であれ、小口であれ、ここに来て「分散」することの重要性に気づいた人たちが多いという印象を持ちます(個人的にはいまさら?って思うのですが)。

中国、中国と熱を上げ、一点集中していたら、中国の景気が悪くなって売り上げが落ち込んだという事例もありました。
欧米圏は主張が激しいし、個人主義だからちょっと怖いけど、アジア諸国なら親日多いし、日本製と聞けば喜んで買うだろうと、物価が合わないのにアジアならチョロいと舐めてアジア進出した結果、実績に繋がらないといったケースもありそうです。
2010年にはアメリカ行きの荷物のインク・トナーに爆発物というテロ未遂があり、1ヶ月は荷物が一切送れなくなり、トータルで3ヶ月位発送が難しくなる時期があったりもしました。
今度はトランプ関税により、アメリカ一辺倒でいると困るよねという話です。

実際に私は、常日頃から、どこかの国や地域に的を絞るとか、的を絞るために事前調査をすることを「ナンセンス」だと言ってきました(貪欲に全世界対応でいけ、といい続けていました)。手厳しく書いている記事がこちらです。
参考:昨日の中小機構ピッチで話したこと

上記記事以前にも何度も書いています。データもバカとハサミは使いようで、データ、データと金科玉条のように言う人の思考が見落としていることを書いています。
参考:越境ECは人間ドックだ。
参考:越境EC成功に導く素質、資質とは

日本人は自己解決能力が世界最下位ということがわかっており、誰かに式を与えられれば答えは出せるのですが、式自体を生み出す工夫力がありません。式を生み出すために冒険をしません。リスクをデンジャラスと捉え、リスクを知った途端に前進を止めます。そのため、イノベーションも起きないし、先行者優位の恩恵を受けて儲けられる人も少ないです。
参照:高学歴なのに貧乏な人が増えているワケ

日本人がイノベーションを起こせないのは、学んだことを実社会でいかに応用するかという思考習慣が養われていない、あるいは社会に出てからそういう姿勢で取り組んでいないことに起因します。 学んだ知識を組み合わせて統合し、より複雑な問題に適用できないのは、与えられた問題を解くことに慣れてしまっているからです。自分で問いを発して探求し、解決方法を自らの頭脳で編み出し、成し遂げるという経験をしてこなかったから。
(All About マネー)

「ピンチはチャンスだ」と口ではいくらでも言えます。
実際に意識を変えられるかどうかで真価が分かります。何度も書いていますが、

「結果を変えたければ行動を変えてください。行動を変えるには意識を変えてください」

国際配送と通関対応を任せる方法

発送ルールの変更は今後も続きます。毎回自社で追う必要はありません。 出品から通関・国際配送・多言語対応までGMOグローバルECが代行。ショップ様は国内倉庫へ送るだけです。

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Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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