こんにちは。 GMOグローバルECの横川です。
「オムニチャネル」という言葉を聞くと、多くの人は、「実店舗とECを連携させること」を思い浮かべるでしょう。
店舗で商品を見てECで購入する。ECで注文して店舗で受け取る。POSや在庫を連携させる。
確かに、それはここ10年ほどのEC戦略において重要な考え方でしたし、海外のECプラットフォームのあるCEOは「オムニチャネルはカラーテレビと同じくらい当たり前になる」と発言しています。
しかし、その発言はAIが登場する以前のものであり、AIが登場した海外のEC業界では今、「オムニチャネルの意味そのものが変わり始めている」という議論が出てきています。
参考:Ecommerce Trends: What matters as much as tech to get omnichannel experiences right
理由はシンプルです。
AIが購買行動に入り始めたからです。
これまでの購買行動は、人間がチャネルを行き来していました。
店舗で商品を見る。スマホで比較する。ECで買う。レビューを見る。SNSを確認する。
つまり、「人」がチャネルを横断していたのです。ところが、AI時代になると構図が変わります。
ユーザーは、「肌に優しい日本製のタオルで、乾燥機対応、ギフト向きのものを探して」とAIに依頼します。するとAIが、
・商品を探す
・比較する
・レビューを読む
・配送条件を見る
・価格を比較する
・購入候補を絞る
ところまで行うようになります。人間は最後に「これでいい」と判断するだけ。つまり、今後は「人間がチャネルを横断する」のではなく、
“AIを含めた購買体験がシームレスにつながること”
こそが新しいオムニチャネルになるのです。
では、日本企業は何を変えるべきなのでしょうか。
ここで誤解してはいけないのが、「店舗連携を強化すればいい」という話ではないことです。AI時代に重要になるのは、むしろデータ連携です。なぜなら、AIは“雰囲気”では商品を理解できないからです。
例えば、「日本製で品質が良いです!」という説明だけでは、AIは推薦しにくい。代わりに必要なのは、
・素材
・サイズ
・用途
・対象ユーザー
・配送条件
・FAQ
・レビュー
・ブランド背景
・商品属性(Item Specifics)
・構造化データ(schema.org)
などの、AIが理解できる整理された情報です。これは越境ECにおいて非常に重要です。これまで海外販売では、
「ShopifyやWooCommerce、MagentoでECサイトを作る」
「Instagramを運用する」
「広告を出す」
という順番で考えました。しかしAI時代は順番が変わります。まず必要なのは、
“AIに理解される商品データを整えること”です。
商品辞書を整える。属性を整理する。FAQを準備する。配送条件を明確にする。商品ページを構造化する。その上で、SNSや広告が生きてきます。つまり、これからのECは、
「見た目の良いサイト競争」ではなく、
「AIに推薦されるためのデータ競争」へ移っていく可能性が高いのです。
オムニチャネルは終わったのではありません。ただ、その意味が変わりました。これからのオムニチャネルは、
「店舗+EC」ではなく、
「顧客・AI・物流・在庫・商品データがつながる体験設計」へ進化していく。そう考えると、いま企業がやるべきことも、少し見え方が変わってくるのではないでしょうか。






































