2025年1月、Amazon UKは英国史上最大規模となる電動トラックの導入や、鉄道ネットワークによる配送の拡大を発表しました。

140台以上の大型電動トラックを新規導入し、ロンドン中心部では徒歩配送やeカーゴバイクも活用。年間3億個以上の荷物をゼロエミッションで輸送する体制を整えています。
このような急速なサステナビリティ対応は、イギリスやヨーロッパ向け越境ECに取り組む日本企業にとっても、「環境配慮」と「効率的な物流体制」が今後の競争力に直結することを示しています。
今回はAmazon UKで成功するための「Step3:配送業者選定」について詳しく解説します。
FBAと自社出荷の違い
Amazon UK/EUでの販売には、FBA(フルフィルメント by Amazon)と自社出荷(フルフィルメント by マーチャント)の2つの配送方法があります。
●FBA(フルフィルメント by Amazon)
商品を現地のAmazonフルフィルメントセンター(FC)に納品するだけで、保管・ピッキング・梱包・発送・現地言語カスタマーサービスまでAmazonが代行します。グローバルセリングでFBAを利用する場合、現地のAmazon倉庫への納品が必須ですが、アルコールや要期限管理商品、夏季制限品などFBA対象外商品があるため、確認が必要です。倉庫費用が安くないので長期保有には不向きです。売れる商品をFBAに入れて回転数を徹底的に上げていく必要があります。
●FBM 自社出荷(フルフィルメント by マーチャント)
注文ごとに日本などから直接、自分(自社)で発送する方法です。自社出荷の場合は、手元に在庫を置いておけるため、在庫管理が容易ですが、配送遅延や返品対応などのリスク管理など、購入者に対し現地言語でのカスタマーサービス提供も自社でおこなう必要があります。越境ECをこれからはじめる方、また売れ筋が不明な場合などはFBMをおすすめしています。
FBA配送の選択肢とネットワーク
Amazon UKはイギリスだけでなく、ヨーロッパ各国に利用者がいます。FBA配送の場合、以下の選択肢が挙げられます。
●ヨーロッパフルフィルメントネットワーク(EFN)

自国のフルフィルメントセンター(FC)に保管した在庫によって、ヨーロッパの他のストアからの注文に対して同じ在庫プールから対応できる仕組みです。2022年3月以降、イギリスおよびEU間の出荷はEFNを通じて再開しました。
| 《特徴》 ✅在庫を置く国のVAT登録が必要だが、イギリスとEU間で出荷する場合、納品先のストアでVATを登録する必要はない。 ✅対象国:イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ポーランド、スウェーデン ✅イギリス、EU両方のアカウントへアクセスができ、両方で商品をFBA出品する必要がある。 ✅対象商品の価格は、EUでは135ユーロ、イギリスでは122ポンドを超えないようにする必要がある。 ✅クロスボーダー手数料が発生する。 |
● Pan-European FBA

商品を1か国のFCへ納品後、在庫分散が有効になっている国のEUフルフィルメントセンター全体にAmazonが在庫を分配し、購入者により近い場所に在庫を配置する仕組みです。ブレグジットによって、2021年1月1日以降、イギリスとEU間におけるヨーロッパ全域でのFBA在庫移動は停止されました。
| 《特徴》 ✅在庫を置く国のVAT登録が必要。 ✅対象国:ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ポーランド、ベルギー、スウェーデン ✅ドイツ、フランス、イタリア、スペインのアカウントで有効なFBA出品情報が作成され、該当のASINがヨーロッパ全域でのFBA出品プログラムに登録されている必要がある。 ✅ 最低2か国以上に在庫を入れる必要がある。 |
【注意点】
日本のFCに納品しても、ヨーロッパには販売できません。必ず現地FCへ納品が必要です。
Amazonは登録輸入者(IOR)にはなれません。IORには自社名義等を使う必要があります。
FBA納品時は、必ずDDP(関税込み条件)での配送が必要です。DDU(関税抜き)はトラブルになる可能性が高く不向きです。
実際の配送業者選定のポイント
では、実際に配送業者を選ぶ際、どのようなポイントを注意すべきでしょうか?たとえばAmazonは、公式の配送サービスプロバイダーリストを公開しています。
■Amazon global sellingサービスプロバイダー一覧(PDF)
2024年10月時点のプロバイダー例として、DHL、FedEx、UPS、日本郵便(EMS)、ヤマト運輸、佐川急便、OCS、Nippon Expressなどが挙げられます。また、Amazonパートナーキャリア(FBAパートナーキャリア)も利用可能です。これらのプロバイダーは、日本からイギリス・EU各国のAmazon FCまでの配送、通関手続きや書類作成サポートなど、越境ECに必要な一連の業務をワンストップで支援します。
配送条件も配送業者選定のポイントになります。これらのポイントをよく確認しましょう。
✅ DDP(Delivered Duty Paid)対応の有無
✅ 追跡サービスの有無
✅ 納品先FCまでのリードタイム
✅ コスト(送料・手数料)
✅ 通関サポートの有無
Amazon UK/EUでは、今後「環境配慮型配送」や「脱炭素物流」への要請が強まるとAmazonから直接伺ってます。電動トラックや鉄道輸送など、環境負荷の少ない配送方法を選ぶことが、現地でのブランドイメージ向上にもつながります。サステナビリティ対応も今後の選定基準に入れるといいかもしれません。
おわりに
配送業者選定は配送料だけでなく、信頼性・効率・環境対応もEUでは特に重要となっていきます。Amazon UKで成功するには、FBA・FBMの併用などうまく活用して、特にFBMを利用できるストアさんは信頼できるEUに強い配送プロバイダーを選ぶことが近道です。
次回は「Step4:出品用アカウント作成」について解説します。
参考文献:
Amazon places the UK’s biggest-ever order of electric trucks, and moves onto Britain’s electric railways(Amazon Press Centre)
フルフィルメント by Amazon(FBA)の利用を開始する(適用されるマーケットプレイス: イギリス)(Amazon seller central)


































