こんにちは。GMOグローバルECの横川です。
これは単なる「デジタル化」の話ではありません。
AIとECを、生産性向上、市場拡大、競争力強化のための成長戦略として位置づけている点が重要です。
参考:Hanoi promotes AI and e-commerce adoption to drive double-digit growth among SMEs
この動きを見ていると、明治時代の日本を考えてしまいます。
明治期の日本は、欧米諸国が長い時間をかけて築いてきた鉄道、通信、工業、金融などの制度や技術を、一から同じ順番で経験したわけではありません。すでに完成していた技術や仕組みを一気に取り入れることで、短期間に近代化を進めました。
いわゆる「リープフロッグ」です。
現在の東南アジアでも、これと似たことが起きています。例えば、巨大な店舗網を全国に整備してからECに移行する必要はありません。パソコン中心の時代を経ず、スマートフォンからECやSNSを利用できます。高額な自社システムを構築しなくても、クラウドやSaaSを使えます。
そして今では、大規模なマーケティング部門を持たなくても、AIを使って商品説明、多言語化、広告、顧客対応、データ分析まで行えるようになりました。
つまり、「遅れているから不利」なのではありません。むしろ過去の仕組みを持っていないからこそ、一足飛びに最新の仕組みへ移行できるのです。
一方、日本企業には多くの資産があります。長年築いた販売網、取引先との関係、基幹システム、社内制度、ブランド、業務ノウハウ。もちろん、これらは大きな強みです。しかし技術の転換期には、その強みが逆に変化を遅らせる要因になることもあります。
「昔からこの方法でやっている」
「うちの業界ではこうだ」
「海外はまだ早い」
「AIは若い人が使うものだ」
そう考えている間にも、新興国の企業は最初から、
スマートフォン
↓
SNS
↓
EC
↓
AI
を一体化した経営を始めています。
ここで日本企業が注意しなければならないのは、東南アジアをいつまでも「日本の商品を売る市場」とだけ見ないことです。これからは、AIとECを当たり前のように使う東南アジア企業が、日本企業の競争相手になる可能性があります。
日本ではまだ、
「AI導入支援」
「DX支援」
「EC支援」
「越境EC支援」
が、それぞれ別のテーマとして語られることが少なくありません。しかし本来は、
AIで商品情報を整える
↓
多言語化する
↓
ECで販売する
↓
SNSで市場の反応を見る
↓
越境ECで海外需要を確認する
↓
販売データをAIで分析する
↓
次の商品や市場戦略に反映する
という一連の経営プロセスとして考えるべきものです。
今後、AIが商品を探し、比較し、推薦し、購入まで支援する「エージェンティックコマース」が広がれば、この差はさらに大きくなるでしょう。
日本の経営者が本当に恐れるべきなのは、新興国が「追いついてくる」ことではありません。
日本企業が過去の成功体験にとどまっている間に、新興国企業が古い仕組みを飛び越え、先に次の時代へ行ってしまうことです。
明治時代、日本は欧米から学び、一気に近代化しました。
今度は東南アジアが、同じことを日本に対して起こすかもしれません。
「まだ日本の方が進んでいる」
そう思っている企業ほど、一度海外の動きを見てみる必要があります。井の中だけを見ていると、世界がどのくらいの速度で変わっているのかは分かりません。
AIとECは、単なる便利なツールではありません。企業同士の成長速度そのものを変える技術になり始めています。そして、その変化はすでに東南アジアで始まっています。


































