こんにちは。GMOグローバルECの横川です。
お盆休みのさなかですが、EC担当者はもう年末のことを考えないとなりません。そして、2026年のホリデーシーズンでは、なかなか興味深い調査結果が出てきました。
Digital Commerce 360とBizrate Insightsが、2026年7月にオンライン購入者1,018人を対象に行った調査です。調査では、今年のホリデーシーズンに「何を買うのか」だけではなく、「どのくらい使うのか」「何を基準に商品を選ぶのか」、そして「AIを買い物に使うのか」まで聞いています。
参考:Ecommerce Trends: What online shoppers said will matter in 2026 holiday survey results
その中でまず目につくのが、18~29歳の動きです。
この年代では46.3%が、2025年よりホリデーシーズンの支出を増やす予定だと回答しています。他の年代では40%に届いていません。
つまり、今年の年末商戦で消費を伸ばす可能性が高いのは若い世代なのです。
しかし、もっと面白い数字があります。
すでに約4割が「AIを買い物に使っている」と、調査では、過去6か月以内に何らかの形でAIをショッピングに利用した人が約40%に達しています。さらに、「まだ使ってはいないが興味がある」という人も18.7%。
一方で、AIを買い物に利用することに「まったく興味がない」という人は35.8%でした。
少し前まで、「そのうちAIに商品を探してもらう時代になる」と言われていました。ところが2026年夏の時点では、もう「そのうち」の話ではありません。すでにかなりの消費者がAIを買い物に利用し始めています。そして重要なのは、AI利用に積極的なのも若い世代だということです。
つまり、「これから消費を増やす可能性が高い層」と、「AIを使って商品を探す層」が重なり始めているのです。
それでも「価格」は重要
もちろん、AIだけで商品が売れるわけではありません。今回の調査では、81.8%が「価格や割引」を購入判断に影響する要素として挙げています。
やっぱり安いものが売れるのか。
そう思いたくなる数字ですが、AI時代には「価格」の意味も少し変わってくるかもしれません。
人間が商品一覧を見て比較する場合、「20%OFF!」、「期間限定!」、「送料無料!」といった表示は非常に強力です。
ところがAIが比較するとどうでしょう。
たとえば、
A商品 48ドル
B商品 52ドル
だったとしても、B商品には付属品が含まれていて、保証期間が長く、送料も無料なら、「少し高いが、総合的にはB商品の方がお得です」とAIが判断する可能性があります。つまりAIにとって重要なのは、単純な販売価格だけではありません。
- 価格
- 割引率
- 送料
- 内容量
- セット内容
- 保証
- 配送日数
- 返品条件
- 商品の特徴
- 他の商品との違い
こうした情報を総合して、「この人にはどの商品が最も適しているか」を判断できるようになっていきます。
「安く見せるEC」から「比較できるEC」へ
これまでのECでは、人間の目を引くことが重要でした。
きれいな写真を使う。
キャッチコピーを工夫する。
割引率を大きく表示する。
検索結果の上位に表示されるようSEOを行う。
もちろん、これらが不要になるわけではありません。しかし、AIが商品の探索や比較に参加するようになると、もう一つ重要なことが加わります。「AIが商品の価値を理解できるか」です。
商品の特徴が曖昧だったり、必要な情報が画像の中にしかなかったり、送料やサイズ、素材、用途などが整理されていなかったりすると、AIはその商品を正しく評価できません。
逆に、
「誰に向いている商品なのか」
「どんな用途に適しているのか」
「他の商品と何が違うのか」
「いくらで、何が含まれているのか」
が明確になっていれば、AIは比較しやすくなります。これから必要になるのは、人間に魅力的に見せる商品ページと、AIが正確に理解・比較できる商品情報の両方なのです。
2026年末商戦は一つの転換点になるかもしれない
今回の調査で特に興味深いのは、「AIショッピングが普及しそうだ」という未来予測ではありません。すでに約4割が使っているという現在地です。しかも、まだ使っていないものの興味を持っている人も約2割います。
2026年のホリデーシーズンには、初めてAIを使ってプレゼントや商品を探す人がさらに増えるかもしれません。
これまでEC事業者は、
「Googleでどう検索されるか」
「AmazonやeBayの検索結果でどう見えるか」
「SNSでどう見えるか」
を考えてきました。
これからは、そこに新しい問いが加わります。「AIに『この条件なら何がおすすめ?』と聞かれたとき、自社の商品は候補に入るだろうか?」という問いです。
SEOや広告だけを考えていればよかった時代から、AIにも商品の価値を正しく理解してもらわなければならない時代へ。2026年の年末商戦は、その変化が一気に消費者側へ広がるタイミングになるのかもしれません。「AI時代のEC」は、もう未来予測ではなくなりつつあります。
































