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越境ECブログ

Universal CartとAI–Googleは“買い物の支配者”になろうとしている?

こんにちは。GMOグローバルEC株式会社の横川です。

最近、「AIがECを変える」という話はよく聞きます。しかし、Googleが進めている動きを見ると、もはや“変える”どころではなく、買い物の仕組みそのものを書き換えようとしているように見えます。

先日話題にした「Universal Cart(ユニバーサルカート)」と、最近報じられたGoogleのAIショッピング戦略。この2つをつなげて見ると、Googleの本当の狙いが少し見えてきます。
参考:Google Enters The Ecommerce Wars; Big Brother Is Listening (Maybe)

結論から言えば、

Universal Cartは「器(インフラ)」、AI(Gemini)は「頭脳」です。

そして、この2つが組み合わさったとき、ECの世界はこれまでとまったく違うものになる可能性があります。

まず、Universal Cartをおさらいしましょう。従来のECは、「ショップごとにカートが別」でした。
A店の商品はA店のカート、B店の商品はB店のカート。ユーザーはそれぞれのECサイトを回遊しながら比較し、購入していました。

しかしGoogleが進めるUniversal Cartは違います。

Googleが複数ショップの商品を横断して管理し、まとめて買いやすくする構想です。
つまり、「Googleが買い物の交通整理役になる」ということです。YouTubeで見た商品、Google検索で見つけた商品、別ショップの商品をGoogle側でまとめ、決済までスムーズにつなぐ。
ここではまだGoogleは“インフラ提供者”でした。

しかし、今回参考しにしているAdExchangerの記事で見えてきたのは、そのさらに先です。

Googleは今、「何を買うべきか」までAIで決めようとしています。Googleにはすでに、

  • Google検索履歴
  • Gmail
  • YouTube視聴履歴
  • Chrome閲覧履歴
  • Android利用データ
  • Shopping Graph(数百億の商品情報)

があります。これはGoogleが消費者が何に興味を持ち、何を欲しがり、何を比較し、どんな生活をしているかを極めて高い精度で理解できる立場にあります。

そこにGeminiが加わると、買い物の流れはこう変わります。

【これまで】

Google検索
↓
人が比較する
↓
ECサイト訪問
↓
購入

【Universal Cart時代】

Google
↓
複数ショップ横断カート
↓
簡単購入

【AI×Universal Cart時代】

Google AI
↓
おすすめ商品提示
↓
比較代行
↓
カート投入
↓
ワンクリック購入

もう完全に「検索不要EC」の時代到来です。
たとえば、「来月ラスベガス出張がありますね。前回のスーツケースは使用年数が長いため、交換時期です。価格・レビュー・用途を比較すると、この商品が最適です。購入しますか?」そんな提案をAIが自然にしてくる未来です。便利なのは間違いありません。

しかし一方で、記事タイトルにあった「Big Brother Is Listening(監視されている)」という表現も気になります。これはジョージ・オーウェルの小説『1984』に出てくる“監視社会”の比喩です。Googleが私たちの生活データを使って、先回りして商品を薦める世界。便利さの代わりに、「Googleに生活を見透かされる感覚」は強くなるでしょう。

では、越境ECを含む日本企業にはどんな影響があるのでしょうか。ここが非常に重要です。
AI時代は、「良い商品を持っているだけ」では売れない可能性があります。AIに理解されなければ、推薦候補に入らないからです。これまではSEO(検索最適化)が重要でした。しかし今後は、AEO(AI Engine Optimization)
=AI推薦最適化の重要性が急速に高まるでしょう。以前から書いている通り、「AIに理解される商品情報」が必要になります。感覚的な説明だけでは弱いということ。このあたりは今後セミナーや伴走支援で詳しく話すつもりです。

ちなみにこれは自社ECの意味すら変える可能性があります。これまでは、「自社ECを持つこと」が目的でしたが、これからは、「AIに理解される商品データベースを持つこと」が目的になっていくかもしれません。

そしてeBayのようなマーケットプレイスも意外と強い可能性があります。なぜなら、AI可読性データが豊富だからです。

Googleが狙っているのは、単なるEC参入ではありません。おそらく、「あなた以上に、あなたの買い物を理解するAI」です。そして日本企業に求められるのは、「AIに読める商品情報整備」と「指名検索されるブランド作り」の両立です。AI時代のECは、もう始まっています。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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