こんにちは。GMOグローバルECの横川です。
海外との接点が少なかった人にとっての越境ECは、完全に未知の世界であり、それだけ恐怖心が勝ってしまうことから、トラブル回避を優先しようとするために、本来の「リスク回避」とは意味合いの異なるゼロリスク思考からくる「リスク逃避」に陥ってしまいます。これが海外企業との競争で勝てない元凶です。
特に返品・返金については神経質に考えてしまう傾向にあります。日本の場合、大抵が返品依頼というのは、=(イコール)クレームのようなものだからです。
しかし、海外ではその感覚がだいぶ違うというところから考える必要があります。結構ファッショナブルに返品してきます。下手(したて)に出る必要はありません。
と、そんな返品ですが、最近は企業が直面する新たな課題が浮き彫りになっています。それを記した記事をまとめました。
参考:International returns in e-commerce: why they are becoming a board-level issue
経営陣が関与する重要レベルとなった返品対応
これまで返品はオペレーション上の問題として扱われてきましたが、現在では
経営陣が関与する重要テーマ(ボードレベル)
へと位置づけが変わりつつあります。なぜ返品がここまで重要視されるのでしょうか
1.国際返品はコストが極めて高い
国内返品と異なり、越境ECでは以下のコストが発生します。
- 国際配送費(往復)
- 関税・税金処理の再対応
- 倉庫・在庫再処理
- 再販不可による損失
これにより企業は、想定以上のコスト負担を強いられることになります。
2.消費者の期待値が上昇している
特に欧米市場では、以下が一般的になっています。
- 無料返品
- 簡単な返品手続き
その結果、消費者は「返品できる前提」で購入する傾向が強まっています。
3.返品率の上昇が利益を圧迫
返品は単なるコストではなく、企業の収益構造に直接影響を与えます。
- 売上が増えても利益が残らない
- 返品処理にリソースが奪われる
そのため、返品は利益を左右する重要指標として認識されるようになっています。
4.環境問題(サステナビリティ)との関係
返品された商品は再販されないケースも多く、
- 廃棄
- 輸送によるCO2排出
といった問題が発生します。そのため企業は、環境負荷の観点からも返品削減を求められるようになっています。
企業が取るべき対応策
記事では、企業に対して以下の対応が重要であると指摘しています。
返品プロセスの最適化
- 効率的な返品処理体制の構築
- コスト削減のためのオペレーション改善
ローカル拠点の活用
- 現地で返品を受け取る仕組み
- 再販や在庫管理の効率化
データ活用による返品削減
- 返品理由の分析
- 商品改善や情報改善への反映
顧客体験とのバランス
- 厳しすぎる返品ポリシーは離脱を招く
- しかし緩すぎるとコスト増
顧客満足と収益性のバランスが重要ということになります。しかし、なぜ「ボードレベルの課題」なのでしょうか。これらの背景から、返品は単なる現場の問題ではなくなっています。
- コスト構造に直結
- ブランド体験に影響
- ESG評価にも関係
そのため、企業全体の戦略として経営層が関与すべきテーマへと変化しています。
まとめ
越境ECにおける返品問題は、もはや避けて通れないテーマです。
- 国際返品は高コスト構造
- 消費者は返品前提で購入
- 利益・環境・顧客体験すべてに影響
これらを踏まえると、企業に求められるのは、返品を前提にした戦略設計であり、返品対応そのものが競争力の一部となっていると言えるでしょう。

































