こんにちは。ジェイグラブの横川です。
今回は越境ECの話と言っても、日本から海外へ販売する話ではなく、海外から日本人が購入した場合の話です。今年の6月に海外の記事を引用する形で日本政府が欧米に倣って税の優遇措置廃止を検討しているという記事を紹介していました。
参考:日本もデ・ミニミス・ルールを撤廃か?
5ヶ月前に書いたことがかなり具体化し、来年度には税制改正大綱への反映をめざすとしています。そもそも現行制度が越境ECの存在しない、海外旅行自体も珍しかった時代に作られていたもののようで、さすがに時代に合ってなさすぎですね。詳細は以下の日経新聞でご確認ください。
参考:個人輸入品の税優遇廃止へ 財務省、中国からの低価格品流入で対策(日経新聞)
背景には、中国系ECプラットフォームのTemuやSheinの激安攻勢です。これによってBtoB輸入より個人輸入のほうが激安となり、税関の負担が大きくなれば、チェックも甘くなり、国内産業の保護という観点だけでなく、偽装輸入の増加など、経済安全保障上もよくないからです。日経新聞によれば、税優遇措置の他にデ・ミニミスの廃止も視野に入れているとのことです。
デ・ミニミスについては、アメリカは8月末に完全廃止し、現在アメリカ向けの貨物はすべて関税がかかるようになっています。6月に上記記事を書いた時点で「このトレンドがついに我が国にも波及するかも」と書きましたが、世界のトレンドですので、こうなることは予想済みでした。
国が、国内の産業保護を優先することは当然のことなので、それについては全く異議はありません。そして、日米欧がこのように足並みをそろえることは、中国ECプラットフォームも予想はできていたでしょう。実際、ここ数年の間に中国系ECプラットフォームは東南アジア市場に軸足を移しており、ASEAN市場の50%を支配するまでに成長しています。
参考:Chinese e-commerce giants dominate ASEAN markets, capturing nearly half of regional share
さてここで、日本から海外に販売する越境ECに目を転じてみましょう。
日本企業の多くはどういうわけか、欧米圏をターゲットに入れず東南アジア狙いを目標にする企業が多いのですが、こうした実態を考えると、日本企業が逆立ちしたって実現できない価格を実現してしまう中国企業と同じ土俵で戦わねばならないため(品質の差は圧倒的に日本企業に分がありますが)、そんな簡単には行かないことがわかります。
また、東南アジア諸国も中国の安価なものの大量流入をいつまでも許すことはないでしょうから(安くて低品質というだけならいいのですが、基準以上の有毒物質が含まれている物が報告されていたりもしますので注意が必要です)、もうこれからは、「越境EC=関税は付き物」と考えていく必要があるでしょう。そして、アメリカ人の多くが関税負担は購入者ということ知らずに受け取り拒否を頻発させている事情を見ると、個人輸入という意味での越境ECでは関税は発送者負担というのが常識化していってしまう可能性があります。
インターネットのスピードはとても早いので、そういう流れになってもすぐに対処できるように準備だけはしておきましょう。
































