こんにちは。ジェイグラブの横川です。
中国といえば、ダブルイレブン、独身の日とも言われ、最もECが盛り上がる時期として有名です。このイベントは中国だけにとどまらず、東南アジアなど周辺地域でも同じ時期にイベントが行われ、非常に影響力の大きいイベントになっています。
久しぶりに取り上げるので(理由は後述)、まずはこの独身の日についてまとめておきます。
中国の独身の日とは11月11日に行われる最大級のECイベントで、数字の1が4つ並んでいることから単身者が4人立っているように見えるということで独身の日と言われ始めました。その後、11が2つ並ぶので、ダブルイレブンとも言われるようになります。
このイベントは11月11日にECイベントの売上高が発表され、たった一日で日本のECの数年分の売上を上げてしまうようなことが起き、日本の事業者が眼の色変えて中国、中国と言っていた時期もありました。
しかし、これにはちょっとしたカラクリがあります。
実際には、11月11日より前にセールは始まっております。この期間はプレセール期間と呼ばれ、販売価格の一部をデポジットとして支払っておく仮注文(予約)が多く含まれます。
そして、11月11日当日に決済が実行され、その日に売上高が発表されます。あたかもたった1日で売上ができたように見えますが、実際はプレセール期間中の仮注文を含んでいますので、実態としては1日の売上ではなく、1週間とか、1ヶ月間の累積です。1日の売上高ではなく、期間中の取扱高というのが正解です。
プレセール期間の仮予約がきちんとすべて決済されればいいのですが、衝動買いや、ユーザーの中にはとりあえすツバをつけておけるものには片っ端からつけておいて、あとから不要だと思ったら決済前にキャンセルしたりするケースもあるため、このあたりはリスクの一つとして理解しておく必要があります(もちろん、商品発送後のキャンセル依頼も頻発します。ま、これは中国に限らず、他の地域でも同じですが)。
10年くらい前はライブ配信も大々的に行われ、世界が注目する大イベントに成長していましたが、中国当局のIT企業への規制強化が入り(過度な商売性を出す演出は控えるよう通達)、盛り上がりに欠けるものとなっています。
また、この時期といえば、日本ブランドの商品が売上上位の常連だったりもしましたが、日中関係の悪化(ALPS処理水問題など)を受け、日本ブランドが一気に全てランク外になるというわかりやすい現象も2年前には起きました。今年も特別日中関係が良いわけではありませんし、盛り上がるかと言われれば疑問符がつきますね。
独身の日が盛り上がっていた時期といえば、毎年資生堂の化粧品が注目されていました。そのニュースを見聞し、多くの企業が二匹目のドジョウになろうと中国市場に乗り出しましたが、ファーストペンギンの資生堂は、その時期にはすでに中国市場から少しずつ引き始め、欧米市場を目指していました。成功する企業、失敗する企業というものを傍目八目の立場から見物させていただきました^^;。
参考:資生堂、アメリカ市場に本格参入
以上のようにここまでの経緯をまとめましたが、上述のようにすでにイベントは始まっています。「今から考える」は、もう完全な手遅れなので、来年にしましょう。
中国のEコマースサイトがダブル11のプロモーションを早期に開始
JD.Com、Pinduoduo、Douyinなどの中国のECプラットフォームは、より多くの商店や消費者を引き付けるために、ダブル11ショッピングフェスティバルのプロモーション計画を事前に開始した。
JD.Comのダブル11キャンペーンはすでに開始され、昨年より5日早く、37日間という新記録のプロモーション期間を樹立しました。TikTokの中国における姉妹アプリであるDouyinも、ダブル11セールを開始しました。
中国国外ではRednoteとして知られる小紅書のダブル11プロモーションキャンペーンも始まり、アリババグループホールディングのTmallのキャンペーンは10月15日に始まる。快手電子商取引は早くも10月7日に先行販売を開始した。
中国新経済研究院創立所長の朱克立氏の言葉を引用するかたちで証券時報はプロモーション期間の延長はプラットフォーム、小売業者、消費者に有益だと伝えた。
プロモーション期間を長くすることで、プラットフォームはピーク時のトラフィックを分散させてシステムクラッシュを防ぐことができ、小売業者はより多くの露出の機会を得ることができ、消費者はより多くの時間をかけて意思決定を行えるため、衝動買いのリスクが軽減されると説明されている。
しかし、蘇招商銀行の特別研究員である傅氏によると、ダブル11の延長にはプラス面とマイナス面の両方があるという。プラス面としては、トラフィック配分の改善、フルフィルメントのプレッシャー軽減、ユーザーエンゲージメント頻度の向上などが挙げられ、マイナス面としては、意思決定疲れのリスクが高まることが挙げられている。
傅氏は、プラットフォームによってプロモーションへの参加が容易になり、より透明性が高まったと指摘し、事前販売に重点を置くのではなく、即時の満足感にシフトしていると付け加えた。
さらに、ECサイトはブランドと提携して低炭素製品を共同で発売したり、限定版コレクションを発表したりして若い消費者の関心を惹きつけていると指摘した。消費のアップグレードは、価格への敏感さから価値の認識へと移行している。
朱氏は、ダブル11の消費者需要は、低価格商品の大量購入から合理的な消費へと移行していると指摘した。価格は依然として重要な要素ではあるものの、消費者はもはや割引だけに注目するのではなく、コストパフォーマンスをより重視するようになっていると付け加えた。
サービス体験も非常に重要になっており、物流のスピードや返品・交換ポリシーが購入の決定に直接影響しているとチュー氏は説明した。
参考:Chinese E-Commerce Sites Launch Double 11 Promotions Early
おわりに
中国ではダブルイレブン、欧米圏はサンクスギビング~ブラックフライデー~サイバーマンデーと、セールスイベントとして盛り上がるのはクリスマスではなく、それよりも1ヶ月早い11月です。欧米圏ではギフト用の買い物は11月中に済ませたと回答する人が4割にものぼります。
そのため、当ブログでは夏になったら11月のことを考えるように再三記事にしています。
日本の事業者の動きの鈍さを見ていると、未だにクリスマスに照準を合わせているように感じます。しかし、クリスマス照準では遅いのです。
12月に照準を合わせるというのは、
「前のめりの業者(日本)」と「乗り気でない消費者(海外)」
という見事なまでのミスマッチ構図が生まれ、思ったほどの成果が挙げられなくなるのです。































