欧米諸国の多くでは、9月が新学期・新年度の始まりとなります。
この「Back to School(新学期準備)」のタイミングは、現地の家庭にとって一大出費の時期であると同時に、越境EC事業者にとっても明確なニーズに応えやすい絶好の販促チャンスでもあります。
欧米では「9月=新年度」文化が主流
日本では4月が入学・進級のタイミングですが、欧米では夏休み明けの9月に新学期がスタートするケースが大半を占めています。
たとえば、スペイン・フランス・ドイツ・イタリアなど欧州各国は、9月上旬に新学期。アメリカ・カナダは8月下旬〜9月初旬から、イギリス・アイルランドは9月上旬開始が一般的です。つまり、9月を見据えた越境EC向けの販売施策は、欧米各国の購買需要と高い親和性を持つと言えます。
新学期消費動向はオンライン支出が大幅増加
たとえばスペインの市場調査(Webloyalty社調べ)によると、2024年の新学期において、家庭がオンラインで教育関連商品に支出する平均額は178ユーロ(約2万9,000円)と、前年比19%増加しています。また、オンラインでの購入件数自体も前年比で約60%増加しています。
| 商品カテゴリ | 購入比率 |
|---|---|
| 電子機器(PC等) | 52% |
| 書籍・教科書 | 26% |
| 子ども用衣料・用品 | 22% |
EC利用が拡大している理由として、物価上昇やインフレが挙げられます。そのため、価格比較や割引・キャッシュバックを求めてオンラインを積極的に使う家族が増加しています。
また、ECを利用することで「比較して、お得な商品を効率よく探しやすい」「重い商品でも家まで配送してくれる」「夏のバカンス先からも注文できる」など、多くのメリットがあります。
米国でも消費のピークは7月〜9月にかけて。最近の動向として、購入リサーチの時期がどんどん前倒しになっており、オンラインと実店舗を組み合わせて購入したり、ディスカウントストアの利用、中古やリユース商品への注目、早期割引や大型セール(例:Amazon Prime Dayなど)の活用といった行動が増えています。
米国では近年、大学関連グッズの需要が高まりを見せています。大学のオリジナルカラーやロゴ付きのTシャツやパーカーなどの定番アイテムはもちろん、帽子、ステッカー、マグカップなども人気があり、オンライン専業のキャンパスグッズブランドが続々と登場。同時に「即納」「送料無料」「パーソナライズ」などEC特有のサービスが重視されています。

最近の調査によると、世界のオンラインアパレル市場は2025年までに7,793億ドルに達すると予想されています。そのうち新学期用品のショッピングは2024年に3,827億ドルの収益を占めました。この成長により、大学関連商品はECで最もホットなニッチ市場の一つとなっています。
日本からの越境ECに適した“学校関連商材”とは
では、上述の背景を踏まえ、日本から越境ECで展開できる有望な商材ジャンルは、どんなものが考えられるでしょうか。
1. 教育用電子機器・周辺アクセサリー
ノートPC、タブレットなど
PCケース、スタイラスペン、子ども向けヘッドセットなど周辺アイテム
2. 文房具・学習雑貨
高品質のシャープペン、ボールペン、ノート類
日本らしいデザインやキャラクターもの(海外での希少性あり)
3. 子ども用ファッション・バッグ
スクールバッグ、レインウェア、シューズなど
日本製の「丈夫さ」や「デザイン性」が評価されやすいカテゴリ
これらはすでに需要が高まりつつあり、日本製品の信頼性と差別化ポイントを活かした展開が可能です。
今から仕掛ける販促施策:ポイントは“安心感”と“時期の早さ”
すでに8月ですから、これから販売準備をするのは遅いかもしれません。しかし、9月入学という需要のピークに向けて、今からでもできる越境EC販売の準備・施策は以下のようなものが考えられます。
・早期、もしくは駆け込み購入キャンペーンの設計
8月中の注文で割引または特典を提供してみるのも1つの方法です。「早めの準備=安心」を訴求することで購買を後押しします。
一方で、購入リサーチの時期がどんどん前倒しになっているとはいえ、ギリギリまで行動しない人も少なくありません。駆け込み購入者をターゲットにした販促キャンペーンを実施してみるのも良いかもしれません。
・SNSやGoogle広告を活用した集客
ただ商品をSNS投稿するだけではなく、「Back to School」「Nueva Temporada Escolar」など、各国言語のキーワードでリーチを拡大させるのがポイントです。
実例と成功のヒント
欧米のカレッジグッズ専門ECサイトでは、デザインのトレンド、SNS映え、大学ロゴの正規ライセンス、現地イベントとの連動販売、モバイルへの最適化、そしてフルフィルメント(プライベートブランド倉庫やピックアップ地点を活用)といった創意工夫が進んでいます。
また、最近のカレッジグッズ市場では、サステナブル素材やオンデマンド生産、地元拠点発送(配送の短縮&エコ化)、簡素ながらスタイリッシュな梱包など、「地球と学生にやさしい」要素も人気化しているようです。
新学期商戦は越境ECの年間戦略に組み込むべき重要タイミング
欧米では「9月=新年度」という文化が定着しており、このタイミングにおける教育関連商材の需要は非常に高まっています。各国でオンライン購入が主流となりつつありますから、日本からの越境ECビジネスにとっても好機と言えます。
今この時期に、新学期需要を見据えた商品ラインアップとプロモーション施策を構築することで、単月の売上だけでなく、年末・年始の商戦に向けた継続的な顧客接点の構築にもつなげることが可能です。欧米の新学期需要は、年間を通じた越境EC戦略の起点となり得る商機です。この時期を逃さず、貴社の商品・サービスの海外展開を一歩前進させてみましょう!
参考文献:
Las familias gastarán una media de 178 euros en las tiendas online en la vuelta al cole(La Verdad de Ceuta)
College Merch Trends and the Shifting Demand in E-Commerce Fulfillment(Global Trade Magazine)
¿Cuánto cuesta la vuelta al cole en España? Esto es lo que pagan las familias por libros, mochilas y material escolar(as)


































