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越境ECブログ

AIがAmazonを脅かし破壊的変化をもたらす日も近い?

※この画像はAIに作らせました。

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

AI技術は十数年前からありましたが、会話型で誰でも簡単に利用できるようになったのはここ2~3年の話です。そして、ECでもAIを利用することが当たり前になってきましたが、これまでは、人がやってきた作業をAIに任せることで楽に運営ができるという話が中心でした。

しかし、技術が進展するともっと劇的な変化が訪れると海外の専門家が予想しています。もうこれまでの普通の感覚が根底から覆されます。

オリジナルの記事はインタビュー形式で長いので、解説をところどころ交えながら要約します。


ChatGPTとPerplexityがAmazonとWalmartの小売支配を脅かす理由

記事はフォーチュン誌記者とスコット・ウィンゴの2名で展開します。ウィンゴは約12年前、EC初期のブームに乗って、自身の前のソフトウェア企業を株式公開に導き、それから10年近くをオンデマンド型カーサービス事業に注いだのち、AI時代の新たなeコマースに再び賭けようとしています。

フォーチュン誌はウィンゴにインタビューを行い、生成AIとAIエージェントがオンラインショッピングにどのような破壊をもたらしているのか、そしてこの動きがeコマースの巨大企業にどのような影響を与えるのかを聞いている。彼は新しいAIショッピングツールが既存のEC大手や従来型の小売業をいかに早く、そして深刻に揺さぶるかについて強気な見方をしている。

フォーチュン誌はウィンゴにEC業界に復帰した理由を尋ねた後、アメリカのEC成長率が停滞していることを指摘し、その原因がオンラインショッピングのユーザー体験が進歩していない点にあるとし、とりわけ近年のAmazonが新しいイノベーションを起こさず、「金のなる木」としてサービスを回しているように見えると語る。

フォーチュン誌がAmazonにウィンゴが触れたのを見て、これからのAI時代にAmazonはどんな影響を受けるか尋ねると、彼は以下のように整理する。

Amazonには小売ビジネス、サードパーティマーケットプレイス、そして広告という3つの柱があるが、「広告」の部分は、消費者体験に対して価値をもたらしているとは言えません。
もし誰かがAmazonの上にAIベースの体験(たとえばチャットエージェント)を構築し、消費者がもはやAmazonのフロントエンド(公式サイト)を使わなくなったと仮定すると、消費者はAIチャットからショッピングを始めるのでAmazonはただの「バックエンド」になる。

つまり、人間の目に広告が触れることがなくなり、Amazonの年間約600億ドルの広告利益が失われる可能性がある。そしてAmazonが他社のAIフロントエンドの「裏方」になると、いずれは使用料を払わされる可能性がでてくるので、これは非常に興味深いことになる。

最後に、もし私がChatGPTやOpenAIのサム・アルトマンなら、「出品手数料は5%でどうですか?」と売り手に提案するでしょう。Amazonでは多くのカテゴリで12〜15%取られますが、我々のプラットフォームにも商品を載せてみませんか?と。小規模事業者なら乗る可能性が高いです。価格も下げやすいし、Amazonよりも有利な条件を提示できるわけです。

つまり、Amazonの広告事業を急速に“蒸発”させ、マーケットプレイスの収益にも徐々に食い込むことができる。

フォーチュン誌とウィンゴは、そういう未来が来る場合、AIエージェントは音声認識で消費者をアテンドするようになると想像し、人間がアクションを起こすだけでなく、人間にアクションを起こさせるような提案を積極的にするだろうと語る。それは秘書が「明日は〇〇さんが夕食に来ますから用意をしましょう。ついでにこれも買うべきかと思いますが、いかがですか?」と先回りして尋ねるように。

さらに、こうしたAIエージェントサービスが複数登場し、人間が複数利用しているとAIエージェント同士が自分のアイディアを採用されるように競うあう可能性も想像している。

つづいてフォーチュン誌はAmazonにはRufasというAIがあるがこれについてどう思うかをウィンゴに聞くと彼は、

ChatGPTの方が上になると考えています。

理由のひとつは、RufusはAmazonの広告収益を脅かすほどには優秀になれないという構造的な制限があるからです。でも、それをやってしまうと年間600億ドルの広告収益(ほぼ純利益)を失うことになる。Amazonがその“崖”を自ら飛び越えることはないと思います。

と、Rufasを一蹴。
そしてAmazonには脅威だが、Walmartは実店舗経営もあるため、オンラインではAIのバックエンドになっても構わないという戦略が採れ、実際そうした将来に対してもオープンな姿勢を取ると表明している。

一方で、これまでこうしたプラットフォームを利用してきた小売店はどう対処すべきかをフォーチュン誌はウィンゴに尋ねる。

正直に言えば、これから大変な状況になると思います。だからこそ、企業はエージェントシステムを積極的に受け入れる必要があります。でも、多くの企業のデータはその準備ができていないのが現実です。たとえば、製品カタログの標準化がまったくなっていない。

カテゴリを一つ取っても、各社で製品の属性(仕様・特徴)の定義がバラバラで、用語も違います。従来の検索では平均4語程度しか使われませんが、AIによる検索やチャットでは平均15〜20語にもなるからです。

そこで、私たちは小売業者が自社のデータを評価できるように支援し、改善するための支援サービスを提供する計画です。

と語り、最後にどのぐらいの速さで起きているか見立てを尋ねると、

私はこのアイデアについて考え始め、人々と話し始めたのが2024年第4四半期でした。
でもここ30日間での変化は劇的です。もともとは「これはまあまあ面白いテーマだね」と話していた数十億ドル規模の大手小売企業が、今では「あらゆる方面からプレッシャーを受けて、早急に解決策を見つけなければならない」という状況に変わってきています。取締役会レベルでの圧力も多く見られます。本当に急を要しているという感じです。
今、裏側では多くの企業が「これはヤバい」と感じていて、火のついたような慌ただしさと緊張感の中で対応に追われています。

と結んでいる。
参考:How Amazon’s and Walmart’s retail dominance could be disrupted by ChatGPT and Perplexity


おわりに

先日、ビル・ゲイツの娘のフィービー・ゲイツがファッション分野に特化したAIショッピングアプリをローンチしましたが、これなどもこの記事のウィンゴが語っているものに近いものだと思います。
(参考:ビル・ゲイツの御息女、AIショッピングアプリを立ち上げ)。

これからのEC店長は、ECプラットフォームに合わせる努力の他に、AIエージェントが消費者に御社の商品を推奨するように商品情報をオンラインに存在させる努力をしないとならなくなります。
ですが、極論すれば、AIエージェントが御社製品を消費者に推奨してくれればいいわけですから、ECプラットフォームを利用する必要すらなくなるかも知れません。顔色を伺う相手はもはやECプラットフォームではなく、AIになってきました。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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