近年、メキシコのEC市場は著しい成長を遂げています。インターネット普及率の上昇や消費者の購買行動の変化により、オンラインショッピングはますます日常生活に浸透しています。
今回は、最新の統計データをもとに、メキシコのEC市場の特徴や人気商品、そして日本の越境ECセラーがメキシコ市場へ商品を発送する際のポイントについて詳しく解説します。
メキシコのEC市場の現状
メキシコの国家統計地理情報院(INEGI)が実施した「全国家庭における情報技術利用調査(ENDUTIH)」によると、2024年には73.6%の家庭がインターネットを利用しており、特に首都メキシコシティやソノラ州での普及率が高いことがわかっています。
さらに、インターネット利用者のうち83.1%がオンラインショッピングを経験しており、18~24歳の若年層ではその割合が97%と非常に高い水準に達しています。12~17歳と25~34歳の層もそれぞれ95.1%と、若い世代を中心にEC利用が活発です。
メキシコで人気のEC商品トップ10
INEGIの調査によると、2024年にメキシコで最も多く購入されたオンライン商品は以下の通りです。
1.日用品・衛生用品(美容・コスメ、衣類・アクセサリー):77.9%
2.家庭用品(家具・照明など):45.8%
3.食品・飲料(肉、野菜、スナック、清涼飲料など):33.0%
4.配車サービス:32.7%
5.携帯電話・アクセサリー:27.9%
6.旅行・エンタメ予約(チケット、イベント予約など):27.2%
7.電子機器(ゲーム機、パソコン、モニター、ヘッドセットなど):19.7%
8.健康関連商品(医薬品、ボディケア用品など):18.6%
9.自動車・パーツ:17.1%
10.書籍:16.3%
このランキングからは、美容・ファッション関連や家庭用品、食品・飲料、電子機器などが特に人気であることが読み取れます。コロナ禍以降、日用品や食品のオンライン購入が急増し、消費者の購買体験が大きく変わったことも指摘されており、特にモバイル端末からの購入比率が高い点も、メキシコ市場の特徴です。
一方で、メキシコのインターネット利用者のうち64.2%はオンラインでの購入をしていないというデータもあり、その理由として「対面での購入を好む(21.0%)」「興味がない・必要がない(13.2%)」「購入方法がわからない(12.0%)」などが挙げられています。今後、消費者教育や利便性向上によって、さらに市場が拡大する可能性があります。
メキシコ向け越境ECのポイント:発送・輸入規制(2025年情報)
2025年1月から、日本郵便からも正式にアナウンスが入りましたが、メキシコ政府は越境ECを利用して海外から商品を受け取る際の通関手続きを大幅に厳格化しています。すべてのECサイトや個人輸入に適用されるルールのため、日本の越境ECセラーにとっても、メキシコの購入者が商品を確実に受け取るためには、配送伝票やインボイスに特定の情報を正確に記載することが必須となっています。
必須記載項目(2025年1月以降)
メキシコ向けに商品を発送する際、伝票やインボイスに以下の情報を必ず記載しなければなりません。
| ✅受取人のフルネーム(Nombre completo del destinatario) ✅受取人の納税者番号(RFC)または人口登録番号(CURP) ⇒RFC(Registro Federal de Contribuyentes):法人や納税者が持つ番号 ⇒CURP(Clave Única de Registro de Población):メキシコ国民や居住者に割り当てられる個人番号。日本のマイナンバーに近い存在。 ※RFCがない場合は、CURPの提供が求められます。 ✅受取人のメールアドレス(Dirección de correo electrónico del destinatario) ✅受取人の電話番号(Número de teléfono del destinatario) ✅商品の詳細な説明(Descripciones detalladas de los artículos) ⇒「衣類」「アクセサリー」など曖昧な記載は不可。ブランド名、素材、用途などを明確に記載する必要があります。 例:Tシャツ(綿100%、ブランド名、サイズM、用途:カジュアルウェア、Made in JAPAN) |
これらの情報が1つでも欠けていると、メキシコの税関で通関ができず、商品が受取人に届かない、あるいは返送されるリスクが高まります。弊社ではさらにCSコードも記入することをクライアント様に推奨しています。
RFC・CURPの取得と実務上の注意点
RFCやCURPは、メキシコ国内に住む人々が持つ個人情報です。日本の販売者が知ることはできないため、購入者本人から事前に情報提供してもらう必要があります。
しかし、2025年1月に新ルールが施行されたばかりのためか、メキシコ国内でもこの規則が十分に浸透していません。実際の現場では、購入者がRFCやCURPを事前に入力していないケースが多く、販売者側からコンタクトを取って聞き取りを行う必要が頻発しています。
RFCやCURP未記載の場合は通関不可となる他、現在日本郵便では、発送を受け付けてくれませんので注意してください。
おわりに
メキシコのEC市場は、若年層を中心に今後さらに拡大が期待される注目のマーケットです。一方で、2025年からの新しい通関ルールの導入により、越境ECセラーにはこれまで以上に正確で丁寧な対応が求められる時代になりました。
「売る」だけでなく、「届ける」までがビジネスの重要な一部です。メキシコの文化や制度への理解を深めることで、現地ユーザーからの信頼を得て、長期的なファンを育てていけるでしょう。
参考文献:
¿Qué compran los mexicanos en línea? Estas son las categorías líderes de e-commerce(Merca 2.0)Nacional / MéxicoEl top 10 de los artículos más comprados por internet en México, según INEGI(DIARIO DEL YAQUI.MX)
Nuevo cambio importante en la normativa de las importaciones a México(eBay)


































