こんにちは。ジェイグラブの横川です。
ベトナムの経済成長が著しいことは、この地域に興味のある人なら周知の事実でしょう。実際その通りのレポートがでてきました。
また、詳細は下記の記事に譲りますが、ベトナムでは7~8年前から政府がECに力を入れており、ベトナム資本のECプラットフォームが林立し、群雄割拠の体をなし、どのモールがいいのか判断しにくい状況がしばらく続いていました。しかし、ようやくここに来てShopeeとTik Tokに落ち着いてきたようです(ベトナム政府の思惑通りには行かず、結局、海外資本が席巻する形となってしまいましたが)。
ベトナムの電子商取引部門は2024年に予想を上回る40%成長
ベトナムで電子商取引市場のデータ分析サービスを提供するYouNet ECIの最近のレポートによると、ベトナムの電子商取引市場は昨年、驚異的な40パーセントの成長率を記録し、取引額は138億2000万米ドルに達した。
この成長率は、今年初めに統計総局が報告した小売売上高とサービス全体の9パーセント増加をはるかに上回っている。
報告書では、ShopeeとTikTok Shopがそれぞれ93億ドルと38億ドルの取引額で市場シェアの66.7%と26.9%を占め、市場を支配していることが強調された。
Shopeeは2023年と比較して収益が41パーセント増加し、TikTok Shopは同時期に驚異的な99パーセントの成長を記録した。
伝統的にショッピングシーズンのピークとなる2024年第4四半期の取引総額は97兆9600億ベトナムドン(39億ドル)に達した。
ShopeeとTikTok Shopは引き続き市場をリードしており、ファッションとアクセサリー、日用消費財(FMCG)、家電製品とテクノロジー、美容製品の4つの主要カテゴリーが主な貢献を果たした。
YouNet ECIの専門家は、生活必需品、特にFMCGと健康関連品がこの分野の成長を牽引する上で極めて重要であり、このカテゴリーの取引額は2023年と比較して54パーセント拡大していると指摘した。
FMCG製品は62パーセントと最も高い成長率を記録し、消費者のオンラインショッピングカートの中で2番目に重要なカテゴリーとなった。
2024年のもう一つの注目すべき傾向は、eコマースプラットフォーム上の公式ブランドストアからの取引の増加でした。
伝統的な小売市場の確立されたブランドは、製品の品質と信頼性への重視の高まりを反映して、強力な消費者の支持を獲得しました。
一方、消費者は、特に主流の製品セグメントにおいて、手頃な価格を優先し続けました。
YouNet ECIの市場調査責任者であるグエン・フオン・ラム氏は、「データは、消費者が必需品であっても電子商取引を活用していることを示している」と述べた。
利便性、魅力的なプロモーション、多様な製品へのアクセスがショッピング習慣を変え、FMCGブランドが電子商取引戦略を最適化し、市場の潜在能力を解き放つ大きなチャンスを生み出しているとラム氏は付け加えた。
参考:Vietnam’s e-commerce sector grows 40% in 2024, surpassing expectations
おわりに
さて、東南アジアが調子がいいという話を紹介したにもかかわらず、ぬか喜びをさせることになるのですが、こうした記事があるからと言って、東南アジアで成功するかと言ったら、全く別の話です。
まず、ベトナムの平均月収は約39,000円です。平均というのは、実態を表していない可能性が高いので(ほんのひとつまみの富裕層が平均値を引き上げてしまっている可能性が高い)、本来は中央値で見たほうがいいのですが、それが現状見つかりません。なので、平均月収は39,000円ですが、実態としては25,000~30,000円あたり(30,000円は高すぎるかもしれません)と見たほうが良いかもしれません。
そうやって考えて、
500g未満の商品をEMSで送るとすると、送料約2000円(送料だけで収入の約1/10!)、商品が5,000円くらいするとしたら、送料と合わせて約7,000円。給料の3割に相当します。
例えば、日本の大卒新卒の給料が20万円だとして、手取り16万円になり、そこから家賃、光熱費、食費等を引いたら、16万円の3割に相当する48,000円の買い物など、気軽にはできないでしょう(ベトナムに7,000円の物を売るということは、日本人に恒常的に48,000円の物を買わせようとしていることに等しいということです。新卒の社会人を例に挙げましたが、一般家庭の家計でも毎月5万円もする買い物など難しいでしょう。普通は地元にあるもっと安い類似品で済ませます)。
このように考えると、どうして気軽に東南アジアに進出したいと言えるのか不思議でたまりません。ちょっとネットで調べただけでこれくらいのことはわかるのに、です。
実際、公的機関の人と話していても東南アジアのECモールで大成功している日本企業の存在は聞いたことがないと言いますし、弊社が展開しているジェイグラブモールでも、訪問者では東南アジアの人たちは多く訪問していますが、実際に売れているのは北米とヨーロッパ、オーストラリアです。東南アジアに売れたのは全体の1%もありません(それも富裕層の多いシンガポールです)。
なので、私は、日本人は「欧米への強い憧れがあるものの、その反面、自己主張が強い個人主義とか、訴訟社会という情報もあるので、ゼロリスク志向の日本人はそれが恐怖心となって欧米を忌避する方向に向かい、一方で東南アジアなら日本に憧れているんだし、チョロいだろうとアジアを下に見る」、恐ろしいほどの昭和感丸出しの国際感覚がいまだにまかり通っているのだろうと推察するのです。
そう書くと、そんな事(物価が合わない)はわかっている。だから富裕層に売りたいんだという声も聞こえてきそうですが、それであれば、こちらを御覧ください(参考:富裕層向け市場の2025年展望)。
営業という立場なら、御社が成功しようが失敗しようがお金を支払ってもらいさえすればいいので、このようなことは書きませんが、コンサルタントという立場ですので、失敗率が高いことをさも上手くいくかのように書いて終わるというわけには行かず、ぬか喜びさせる形の文章となっています。

































